面接想定問答:自己紹介関連
面接も「つかみ」が肝心
面接の冒頭では、何らかの「自己紹介」が求められることがほとんどです。
面接の口火を切るこの自己紹介は、ただの挨拶ではなく、あなたの「ファーストインプレッション」を決める重要なパートです。
ここでどのような印象を与えるかによって、あなたへの評価は大きく違ってきます。
極端な話、第一印象がひどいと、そこだけで「この人の採用はないな」と見限られてしまい、その後十分なアピールの機会が与えられないまま終わってしまう可能性だってあるのです。
逆に、ここでビシッと決めることができれば、真剣に、そして好意的にあなたの言葉に耳を傾けてくれることにもなります。
この冒頭の自己紹介は、それ以降の質問とは違い、それまでの流れに左右されることがなく、あなたが言いたいことを確実に伝えることが出来ます。
ですから、しっかり事前準備をして、端的にあなたの経歴やアピールポイントを説明できるようにしておきましょう。
よくある質問:『今までの経歴を紹介して下さい』
この質問に対して、
「新卒後、○○株式会社で営業職として3年間勤務しましたが、経営悪化のために同業界の株式会社△△に転職しました。2年間~の営業に従事した後、カスタマーサービスに異動となり、3年半勤務しました。やはり営業に携わりたかったために転職を決意し、昨年☓☓株式会社に転職しましたが…」
のように、転職歴や従事した仕事の内容をただ順番に話すだけでは不十分です。
それは履歴書や職務経歴書を読めばわかることです。
その上であえてこの質問を投げてきているのは、あなたなりのキャリアの要約や意味合いを語らせたいからです。
(面接官の中には、事前に書類にろくに目を通していないような人もいるようですが…)
ですから、過去の経歴を簡潔に説明しつつ、それだけではなく、キャリアの方向性や経緯、強みも端的に盛り込むことで、
「あなたが何者で、何がウリなのか」
を最初に理解してもらうのが理想的な回答です。
これについては、職務経歴書の冒頭の職務概要の作り方と共通するものがあります。
経歴紹介サンプル:
「私はこれまで3回の転職歴がありますが、広告営業職、広告制作職を含めると約20年以上、一貫してマーケティング関連領域に従事してきました。ネット通信、カー用品、外資系IT、大手電気メーカー、システム開発企業など多様な業界・サービスにおいて、企画・制作・販促・広告からリサーチ・広報まで、幅広いマーケティング業務を経験しています。クリエイティブスキルを活かした『相手の心に刺さる』プロモーション業務を得意としており、限られた予算・人員で目標を大きく上回る成果を出してきました。」
なお、類似の質問に『簡単に/1分間で 自己PRをして下さい』などがあります。
その場合は「自己PR」ですから、より「ウリ」を前面に出してアピールすることになります。
よくある質問:『あなたの長所/短所を教えて下さい』
あなたの人物像や適性を見るためにしばしば問われる質問です。
より注意すべきは、短所についての説明の仕方でしょう。
減点されたくないあまりに「短所は特に無い」とすると、問題意識や客観性に欠けると判断されかねません。
しかし、だからと言って業務には致命的な問題を短所として挙げてしまえば、それこそ不適格者と判断されてしまいますので、回答内容には十分注意する必要があります。
また、長所との整合性についても注意が必要です。たとえば、
「長所は粘り強く業務に取り組むことです。短所は、飽きっぽいところがあることです。」
などと言うと、二重人格者かのように辻褄が合いません。
あなたの長所と短所は、本来表裏一体のはずですから、長所の裏返しであり、角度を変えれば長所にもなり得るようなことを短所として挙げると良いでしょう。
長所について注意点を挙げるとすると、
「私の長所は、真面目で誠実なところです」
などと自分の口で言われることは、多くの日本人には抵抗感があるということです。
場合によっては、失笑を買ってしまうでしょう。
その場合は、「同僚等からそう言われる」のように、他人の口を借りれば違和感なく聞いてもらうことができるでしょう。
長所・短所サンプル:
「以前勤務していた制作会社の社長からは、私の長所は『仕事の手順が良いこと』と評価された経験があります。制作期間をできる限り短縮するためにはどの手順で進めるのが効率的か、もっと効率的な手段を採り入れることはできないかを、常に追求しています。
逆に、短所は『面倒くさがり』なところかもしれません。いつもどうすればムダや面倒を回避できるのか考えがちです。ただそのための努力や工夫はいとわないので、仕事にはマイナスになっていないとは思います。」
その他、関連する質問
- あなたはどんな性格ですか?
- あなたはどんな人だと言われますか?
- あなたにとって仕事とは何ですか?
- 仕事上のモットーはありますか?
- 今あなたが励んでいること(力を入れていること)はありますか?
- 尊敬している人物あるいは目標としている人物はいますか?
- 休暇やオフタイムには何をして過ごしますか?
- 体は健康ですか?健康を維持するために心がけていることはありますか?
よく読まれる関連ページ
- 面接原論:面接キソのキソ
- 転職活動における面接の意義
- 中途採用の面接の特徴
- 近年の転職面接の傾向
- 面接評価を決める2つの要素
- 中途採用の判断基準
- 面接受験の基礎知識
- 一次、二次、最終面接の違いと対策
- しゃべり上手な人が面接をクリアできるのか
- 想定問答を作成する意義
- 想定問答作成の留意点
- 面接想定問答:志望動機関連
- 面接想定問答:退職理由関連
- 面接想定問答:転職活動関連
- 長期失業者のレッテルをはがせ:ブランクの長さをどう説明する?
- 面接想定問答:経験実績関連
- 面接想定問答:将来展望関連
- 面接想定問答:人間関係関連
- 面接想定問答:雇用条件関連
- 面接想定問答:最後の質問
- 模擬面接の重要性
- 面接も見た目が肝心
- 面接前後のマナーも見られている
- 質疑応答の基本的な流れをつかむ
- 「できる」と思わせる本番の面接応対
- 敬語の使い方で印象は大きく変わる
- PREP法で過不足ない応答をする
- 圧迫面接にはYES、BUT法を活用
- 面接が終わった後にできる面接対策1
- 面接後の礼状の書き方
- 面接が終わった後にできる面接対策2