敬語の使い方で印象は大きく変わる
敬語を間違うと印象は台無し
以前、私のコンサルティングの受講者の中に、敬語が極めて苦手な人がいました。
優秀な学歴・職歴を持っているにも関わらず、応募書類を見ても、話をしていても、明らかな間違いを連発するのです。
「書類のご拝読を頂きありがとうございます」
「面接の機会を承りますようお願い申し上げます」
「面接機会を頂戴頂きまして」
(どこがおかしいか、わかりますよね!?)
それだけが原因というわけではないでしょうが、この方は面接をなかなかクリアすることができませんでした。
応募書類なら私の方でチェック・修正が可能ですが、面接の本番はそういうわけにはいきません。
たとえば、美人の女性が汚い字を書くのを見て、ひどくガッカリすることはありませんか?(苦笑)
どんなに優秀な学歴・職歴を持っていても、目の前のあなたが基本的な敬語を間違って使っているのを見たら、大きく幻滅されることは間違いありません。
幻滅されるだけでなく、基本的な敬語さえ正しく使えないような人に、重要なビジネスの現場を任せることなどできませんから、能力評価にも大きなダメージがあります。
不安のある人は、このページで敬語の基本を確認しておきましょう。
面接で気をつけたい敬語
敬語には、「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3つがありますが、敬語が苦手な人は、この区別ができていないことが多いと感じます。
(2007年に文化審議会が、謙譲語と丁寧語をさらに2つに分けて敬語を5分類にする「敬語の指針」の答申を提出しましたが、ここでは従来の分類でお話します)
- 尊敬語 … 目上の人に対して、敬って相手の立場を上にする言い方
- 謙譲語 … へりくだって自分や身内の立場を低めることで、相手を敬う言葉
- 丁寧語 … 言葉遣いを丁寧にすることで相手への敬意を表す言い方
たとえば、上記の「拝読する」というのは「読む」の謙譲語であり、自分の動作をへりくだる時の表現なので、それを相手が「読む」時の尊敬語のように使うのはおかしいわけです。
ここでは、面接でよく使うであろう尊敬語・謙譲語について取り上げておきましょう。
基本語 | 尊敬語 | 謙譲語 |
---|---|---|
言う | おっしゃる | 申す/申し上げる |
見る | ご覧になる/ご(高)覧頂く | 拝見する |
読む | お読みになる/ご高覧頂く | 拝読する |
知っている | ご存知である | 存じ(上げ)ている |
行く | いらっしゃる | 参る |
聞く | お聞きになる | うかがう/拝聴する |
もらう | お受け取りになる | 頂く/頂戴する/賜る |
あげる | くださる | 差し上げる |
なお、上記以外の尊敬語・謙譲語も調べたい、という方は、下記のようなサイトがあります。
- 「敬語変換」
敬語を知りたい動詞や名詞を入力すると、その尊敬語と謙譲語を表示してくれます。
二重敬語
一つの言葉に同じ種類の敬語を二つ以上つけてしまう誤りを、二重敬語と言います。
たとえば、「ご覧になられる」という表現は、「ご覧になる」という敬語に「~される」という敬語を重ねているので、二重敬語となっています。
敬語も行き過ぎては不適切ですので、注意しましょう。
- ☓「社長がおっしゃられた」→○「社長がおっしゃった」
- ☓「お客様がお見えになられる」→○「お客様がお見えになる」
- ☓「お話はお承りしました」→○「お話は承りました」
ただし、「お伺いする」は、本来は「伺う」と「お(~する)」の二重敬語ですが、慣例的に認められているようです。
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