面接想定問答:転職活動関連
転職活動の状況確認
現在の転職活動の状況についてもしばしば問われますが、その目的の1つは、あなたの転職活動の方向性や考え方を知ることです。
しかし、それだけではありません。
他の応募状況や応募企業の反応から、あなたへの「一般的評価」を推し量ることも目的の1つです。
また、他社の選考状況から、「他社へ行く可能性の大小」についても読み取ろうとします。
「事実をありのまま答えれば済む質問」
と甘く見ていてはいけません。
この質問の特徴は、言い方は悪いですが、
「どうとでも答えることができる」
ということです。あなたが実際にはどんな企業に何社応募していて、選考がどこまで進んでいるのか、面接官には確かめようがないのです。
また、他社に関することですので、実はそもそも正直に話す義務がない話でもあります。
あなたにとってどのように答えるのが有利なのか、しっかり考えて答えましょう。
よくある質問:『今まで全部で何社に応募されていますか?』
実際のところ、非常に個人差が大きいテーマです。
数社しか応募していない人もいれば、「100社単位」で応募している人もいます。
私のコンサルの受講者でも、「これまで300社以上応募しました」という人もいました。
念のため補足すると、その数が例外的に多いかというと、決してそんなことはありません。
特に中高年の方の場合は1年とか2年といった長期の失業も珍しくありませんし、その場合、100社単位の応募などはザラにあることなのです。
しかし…
たとえ事実でも、この質問に対して、
「はい、約300社です。」
と答えたとしたら、間違いなく
「300社応募しても就職が決まらない人なのか」
と思われ、あなたを見る目も曇ってしまうことでしょう。
私は、実際がどんなに多くても、面接では「思い切ってサバを読んだ」数にしておくことを強くお勧めします。
では、「御社しか応募していません。」と答えると評価が高まるかと言えば、決してそんなことはありません。
なぜなら、超売り手市場の時ならともかく、今のように転職市場が厳しく、またインターネットの普及で求人検索が容易になっている状況では、転職希望者はそれなりの数の企業に応募して当然と採用担当者も考えているからです。
1社しか応募していないというのは逆に非現実的と思われる可能性が大です。
特に、ブランクが長い人の場合は、あまりに応募数が少ないことにすると、
「1年も失業されているのに10社しか応募されていないんですか?」
という強い疑問を持たれることになります。
その対応例については、下記の回答サンプルが参考になるでしょう。
なお、在職で働きながら応募活動をしている人は、いつからどんなペースで応募活動をしているのかわかりません。
したがって、実際よりどれだけ応募数のサバを読もうが疑念を持たれることはないので、好きな数を答えて構いません。
応募件数サンプル:
「だいたい15社程度です。
(『前職の退職から1年以上空いているのに、本当にそれだけしか応募していないのですか?』)
実は退職後の半年間は、苦手な英語のスキルアップのために英会話学校に通いながら英語の勉強に専念していました。それに、苦い退職をまた繰り返すことがないよう、今回は応募先を慎重に選んでいたために応募数は限られています。」
よくある質問:『当社以外の応募企業の選考状況について教えて下さい。』
これも、「バランス感覚」のある答え方が必要な質問です。
たとえば、あなたが退職後の3ヶ月で15社に応募していた(ことにする)とします。
そこで「1社も面接に進めていない」とすると、やはり、
「どの会社にも面接に呼ばれない、評価の低い人物」
という印象を与えかねません。
逆に、「10社以上面接に進んでおり、すでに内定が3社、面接が進行中の会社もまだ5社あります」のように答えたとすると、
「とても優秀な人材のようだが、ウチに来てくれる可能性は低そうだ」
と思われてしまい、逆に内定を出すことに二の足を踏まれてしまうリスクがあります。
要は、
「他の企業からも一定の評価を受けており、それでいて当社にも来てくれる可能性は少なくない」
と思われる「落とし所」を考えて答えることが大切です。
選考状況サンプル:
「応募した15社のうち、現時点ではまだ内定は出ておりませんが、最終面接に進んだ会社が2社あり、最終以前の選考過程にある企業も数社あります。」
簡単なようでいて、意外に答え方が難しい質問です。
その他、関連する質問
- 今回の転職についてご家族の理解は得ていますか?
- どんな業界や職種に対して応募されているのですか?
- 採用が決まった場合、いつから出社できますか?
- 退職から長いブランクがあるのはなぜですか?
- 弊社は第何志望ですか?
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