近年の転職面接の傾向
甘くない最近の面接事情
ここでは、最近の転職面接に関する全般的な傾向についてお話しておきましょう。
(もちろん景気変動などで状況が変わる余地は大いにあります)
書類選考期間の長期化
「面接の傾向」というテーマとはズレますが、そもそも面接に進めるかどうかを決める書類選考の期間が以前よりも長くなっていることを感じます。
これにはもちろん、1つの求人に対する応募者が増えているという、需給バランスの変化が影響しています。
時間のかかる企業では応募から結果連絡まで1ヶ月以上待たされ、応募したことも忘れた頃に連絡を受けるケースもあります。
そのため、面接の予定が立ちづらいだけでなく、転職活動期間全体が長期化する傾向がありますが、こればかりは応募者側でコントロールできないので、我慢して待つしかありません。
面接内容の厳格化
これも需給バランス、一言で言えば「買い手市場」の傾向が強いことが最大の理由ですが、
「無理して条件に満たない人材を採らない」
傾向が強まっているように感じます。
求人を出せば応募者は殺到しますし、その時に適合者がいなくても時間を置いて再度募集すれば条件に合う人が応募する可能性は高いので、焦る必要はない、ということです。
まして、実際に採用しないと採用企業に費用が発生しない人材紹介会社案件はその傾向がより顕著であり、採用のハードルはより高くなっていると言えます。
提示条件の低下
面接で提示される給与などの待遇条件も、明らかに「相場」が下がっています。
下図は国税庁の「民間給与実態統計調査」による平成14年以降の「平均給与及び対前年伸び率の推移」のグラフです。
(※非正規社員を含む数字)
平成20年から21年にかけての大幅な減少はリーマン・ショックによる影響ですが、実はそれ以前(平成9年)から継続して平均給与は右肩下がりであり、リーマン・ショック後もほとんど下げ止まったままです。
この統計は全年齢を対象としていますが、中高年に限って言えば、もっと下げ幅は大きいでしょう。
たとえば、中高年になった方が久しぶりに転職しようとして、数年前の、リーマン・ショック以前の相場感覚でいたとしたら、提示される条件の低さにショックを受ける可能性が大です。
実際、私のコンサルティングの受講者でも、「この人ならこれくらいの金額で決まるだろう」という予想を大きく下回るケースが増えています。
従来の感覚で条件を追いすぎると、転職活動が長期化する可能性もあります。
意欲やストレス耐性が見極められる
給与面の低下だけでなく、従来よりも少ない人数で仕事を回すような、労働環境の悪化が進む企業が少なくありません。
そのため、
「厳しい条件でも働く意欲があるか」
「ストレスに強く長続きするか」
といった面がより重視される傾向があります。
そうした「ホンネ」部分は、安易にごまかそうとしても見抜かれてしまうもの。
本気で内定をねらうためには、
「いかにそこで働くことを切望しているか」
を十分納得してもらえるよう、回答内容・面接態度の両面において、しっかり対策をしていく必要があります。
以上、厳しい話ばかり並べましたが、これらはあくまでも全体の傾向であって、上記に当てはまらない企業も数多くあります。
しかし、現在の転職市場の厳しさへの理解がズレているために成功の機会を逸することがないよう、頭の片隅に置いておいてもらいたいと思います。
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