長期失業者のレッテルをはがせ:ブランクの長さをどう説明する?
ブランクの持つ意味を変える
総務省の統計では、失業期間が1年以上に渡る失業者は全国で100万人にも達しています。
ブランクは長くなると、経済的に苦しくなるだけでなく、採用側の評価の低下にも苦しむことになります。
今では半年くらいのブランクは珍しくもありませんが、やはり1年を超えるようになると「長期失業者」のレッテルを貼られることは避けられません。
しかし、できてしまったブランクを無いものにすることは残念ながら不可能です。
できるのは、説明によってすこしでもそのブランクを納得性の高いものにすることだけです。
転職後のブランクに対する採用側の懸念事項は、次の2点に集約されるかと思います。
- なぜ失業期間が長引いているのか?
- 失業期間が長引いていることで弊害は生じていないか?
転職活動では、この2点の両方について納得のいく説明ができて初めて、ベストな回答と言えるでしょう。
「なぜ失業期間が長引いているのか?」に対する説明
その懸念の背景には、
「失業期間が長い(=なかなか採用されない)のは、能力や人間性など、どこかに問題があるからではないか?」
という懸念があります。この懸念に対しては、
「がんばって転職活動をしているが、なかなか結果が出ない」
といった説明は逆効果になります。
それよりも、
「何らかの理由で転職活動に専念できていない」
(たとえば、ご家族の病気など、やむを得ない事情で)
あるいは、
「納得できる条件の求人が少ないので積極的に応募できていない」
「内定(かそれに近い結果)は得ているが条件が満足できなかった」
のように、自分以外に理由を求める方が納得性・評価は高くなります。
「失業期間が長引いていることで弊害は生じていないか?」に対する説明
その懸念の背景には、
「ビジネスの現場から長期間離れてビジネス感覚が鈍っていないか」
という懸念があります。
失業期間中は外聞をはばかって自宅に閉じこもってしまう人が少なくありません。
また、実務から長く離れることで、せっかくの業務スキルが錆びついてしまいがちになります。
つまり、「対人スキル」「業務スキル」の両面の低下が懸念されるわけです。
ですから、まさにそうした状態に陥っていないことをしっかり説明することがポイントになります。
表現の仕方に定型はありませんが、要するに、
「離職後も積極的に外に出て人と交流している(社会と交わっている)」
「何らかの手段で業務スキルの維持・向上に努めている」
ことを伝えれば良いわけです。
ただし、上記の1.「なぜ失業期間が長引いているのか?」という疑問に対して
「やむを得ない事情で転職活動に専念できていない」
と言いながら、上記の2.「失業期間が長引いていることで弊害は生じていないか?」に対して
「せっせと英語スクールに通って英語力の向上に努めている」
などと説明すると話がおかしくなるので、説明には矛盾を生じないように注意が必要です。
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