「読まれる」自己PR文にするための文章の仕上げ方
1枚とはいえ、余計な書類である自己PR文を採用担当者にちゃんと読んでもらうためには、可能な限り「読みやすい」「わかりやすい」文章にしておく必要があります。
そのために留意したいポイントを紹介しましょう。
適切に段落分けをする
左右2つの自己PR文を見比べてみて下さい。
どちらの方が圧迫感なく読み進めることができそうでしょうか?
明らかに右側ですね。
理由は、こまめに段落を分けているからです。
私は、圧迫感なく読める段落の長さは、せいぜい5行までだと思っています。
それを超える場合は、文章をスリム化するか、あるいは2つの段落に分けることをお勧めします。
1文を短く区切る
次に、1文ごとの長さにも留意する必要があります。
たとえば、こんな文章はどうでしょうか。
また改札業務ではこれから利用してくださるお客様・今まで利用してくださったそれぞれのお客様に感謝の気持ちを込めたあいさつをし、そしてお客様により解りやすい案内を心掛ける事でお客様の快適な旅行や出張の出発点や終着点及び地域のお客様の暮らしの一部を担っていくことで貴社の駅を利用したお客様が満足していただけるような駅づくりに貢献していきます。
1つの文章は長くても3行までに留めるのが読みやすい文章にするコツです。
上の例文のように、3行を超えると一息で内容を把握するのが難しくなります。
何度も読み返さないと内容が理解できないような文章では、読み飛ばされてしまう可能性が大です。
それではあなたに対する共感が生じるはずがありません。
効果が出る自己PR文の文章は、例外なくシンプルであり、無理なくリズム良く読み進めることができます。
1つ1つの文章はコンパクトに、平易な表現で書くのが一番です。
句読点を適切に使う
上の例文が読みづらい原因の1つは、句読点の使い方、厳密に言えば「読点(いわゆる「てん」「、」です)」が少なすぎることにもあります。
文章が多少長くても、適度に読点を入れて内容を区切ることで読みやすくなります。
しかし、読点がなければ内容の切れ目がわかりづらく、理解が難しくなります。
まずは1文を短くすることが先決ですが、精読率を上げるためには適度に読点を入れることを心がけましょう。
表現のバラエティーに配慮する
私が自己PR文の作成で配慮していることをもう1つ挙げるとすれば、それは、
「表現のバラエティー」
です。
読みやすい文章には、リズムやメリハリがあります。
たとえば、文末の言い回し。
「…しました。次に…しました。そして…しました。最後に…しました。」のように、「…しました」を繰り返すとメリハリがなくて単調な文章になってしまいます。
次の文例を見て下さい。
本番の審査で同様な課題が生じない確約を得るために私は韓国へ飛びました。初めての韓国、初対面の現地スタッフと共に、認証機関との打ち合わせです。人種、言葉、法律、技術…。私は目の前の様々な壁に息苦しさを感じながら、7時間以上にも及ぶ交渉を終えました。その疲れを取る間もなく、滞在期間中は部品の調達先の開拓に駆けまわり、メドをつけたのでした。
同じ文末表現の繰り返しにならないように配慮されていることがわかると思います。
文末に限らず、同じような語句や表現の繰り返しを避けることを心がけると、メリハリがあってリズム良く読み進められる文章になるでしょう。
ここで紹介したポイントは、実は私がこのサイトの文章を書く際にも気をつけていることです。
これらを参考に、あなたも採用担当者に「読まれる」自己PR文に仕上げて下さい。
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