自己PR文のエピソードの候補を洗い出せ
いよいよここから、自己PR文作成の実際に入っていきます。
これまでの話から、自己PR文で成功するためのポイントは何となくつかんでもらえたのではないかと思います。
しかし、教習所で交通ルールを学んだだけでは車の運転はできないのと同じように、自己PR文を実際に書き上げるには、その具体的なステップをマスターする必要があります。
いきなりの決め打ちはダメ
自己PR文の最初のステップは、エピソードの候補を洗い出すことです。
ほとんどの人は、「これで書こう」というネタ(=エピソード)をあらかじめ決めていて、いきなり書き始めようとします。
でも、そこで焦らないことが大切です。
良い自己PR文になるかは、「どんなエピソードについて書くか」が大きく影響するからです。
また、コンサルティングをしていると、本人があまり重視していないエピソードの中に、意外に良いものがあることが少なくありません。
ですから、まずは候補になりそうなエピソードをできるだけたくさん出してみて、その中からどれを使うかを慎重に選ぶことが大切です。
まずは「質より量」で、「これは自己PR文になり得るか」などとあまり深く考えないで、思い起こされたエピソードをできるだけたくさん書き出していきましょう。
この段階では1つ1つのエピソードについて詳しく書き出す必要はなく、まずは自分にわかるように簡潔な箇条書きで列挙していけばOKです。
たくさん思い出そうとして何時間もかける必要はありません。
本当にあなたにとって重要な出来事なら、記憶の表層に残っていて、比較的短時間に思い出せるはずだからです。
しかし、「自己PR文に使えそうなエピソードをただ思いだせ」と言われても、なかなかスムーズにいくものではありません。
そこで、エピソードを思い出すきっかけとしていくつかの切り口を提示し、それに該当しそうなものを列挙してもらうようにしています。
エピソードを思い出すための10の切り口
私が現在エピソードを思い出すための切り口として提示しているのは、次のものです。
- 誇れる仕事の実績
- がんばった経験
- ほめられた経験
- 人に感謝された経験
- 人を助けた経験
- 苦労した経験
- 失敗した苦い経験
- 怒られた経験
- 人に助けられた経験
- その他忘れられない経験
たとえば、「1.誇れる仕事の実績」として、
「新規事業部の立ち上げを任され、3年目に黒字化を果たしたこと」
などのように、その切り口で思い浮かぶエピソードをあるだけ列挙していくのです。
これらの切り口はエピソードを思い出すきっかけに過ぎないので、多少内容が切り口に沿っていなくても構いません。
10個出せる切り口もあれば、1個も出せない切り口もあるでしょうが、それでもOKです。
【エピソードを列挙した例】
10個の切り口を見比べると、切り口の角度が前半と後半で変わっていることに気がつくでしょう。
前半はアピールするにふさわしいポジティブな切り口ですが、後半はあまりおおっぴらにしたくないネガティブな切り口になっています。
なぜネガティブな切り口が必要かと思われるかもしれませんが、ネガティブな切り口にこそ効果的な自己PR文となるカギがあることは、「自己PR文の最高のネタは○○の経験の中にある」で説明した通りです。
ぜひ嫌がらずにしっかり書き出して下さい。
全部で100個以上出せる人もいれば、5個くらいしか出せない人もいますが、経験年数や業界・職種などによっても書き出せる数はかなり違ってきますので、あまり気にする必要はありません。
あなたが「出しきった」と感じたら、そこでネタ出しは完了です。
よく読まれる関連ページ
- そもそも自己PR文ってどんなもの?
- 自己PR文と履歴書・職務経歴書との違い
- 自己PR文と面接の関係
- 自己PR文のフォーマット
- 自己PR文はエピソードで書く
- 自己PR文はオリジナリティが命
- 自己PR文では最初の1秒で読み手を引き込め
- 難しい文章と易しい文章、効果が出る自己PR文は?
- 自己PR文の共感の深さ=どこまで掘り下げて描けるか
- 自己PR文の最高のネタは○○の経験の中にある
- 完全無欠な自己PR文はなぜ失敗するのか?
- 自分で語ることで陥る自己PR文の失敗
- 対比・コントラストの活用が成果を際立たせる
- 自己PR文にリアリティを持たせる方法
- 誰からも評価されようとする自己PR文が失敗する理由
- 自己PR文と実物のギャップは違和感を生む
- 「外さない」自己PR文のエピソードの絞り方
- 自己PR文全体の構成を検討する
- エピソードの詳細を書き尽くす
- 文章のスリム化で自己PR文を1枚に収める
- 「読まれる」自己PR文にするための文章の仕上げ方
- 自己PR文の共感を強める工夫
- 本文に負けない重要性を持つ自己PR文のタイトル