自己PR文の共感を強める工夫
ここまで自己PR文のパートで紹介してきたことは、すべてが「共感を得る」という自己PR文の目的を達成するためのもの。
したがって、共感を得るためのポイントはすでに紹介してきましたが、ここではさらに少しでもあなたへの共感を強めるための工夫について補足したいと思います。
感情の動きを描写する
あなたも実際の仕事では、日々いろいろな感情を抱えて働いているはずです。
喜び、楽しさ、悲しみ、怒り、苦悩、落胆、興奮、嫉妬…
でも、自己PR文の中では、なぜか事実を淡々と書くだけの文章になっていることがほとんどです。
本当は飛び上がるほど嬉しい結果を出したのに、「…することができました」みたいな。
心臓が縮み上がるくらい怖かったのに、「上司にひどく怒られました」だけとか。
企業から採用されたい、おかしく思われたくないという気持ちが、感情表現のストッパーになってしまうのでしょう。
でも、「共感を感じる」ということは、採用担当者があなたと「感情を共にする」ということです。
そのためには、事実を淡々と書くだけでなく、あなたや関係者の感情の動きをしっかり描き、そこに感情移入してもらうことが大切です。
分量の制約はありますが、表情や動作を描写したり、口から出た言葉をそのまま使うなど、できるだけ豊かに感情の動きを表現するように心がけましょう。
クライマックスを用意する
共感を強めるためのポイントをもう1つ挙げるとすれば、
「クライマックスを用意する」
ということです。
「エピソードを詳しく書く」と言っても、1枚というスペースの制約がある以上、すべてを同じレベルで詳しく記載することは不可能です。
そこで、エピソードの中でも最も重要な部分には他よりも十分なスペースを取り、詳細に描写します。
- 上司にほめられた瞬間
- 大きなミスが発覚した瞬間
- 重要なプロジェクトが完了した瞬間
- 顧客から契約が取れた瞬間
- 取引先との交渉が成立した瞬間 等々…
イメージをつかんでもらうために、いくつかサンプルを紹介しておきましょう。
「報告が間違いないと分かると、私は思わず現地のスタッフと肩を抱き合っていました。彼らとの心の壁が取り払われた瞬間でした。」
「会社の再生計画が裁判所から認められ、最大の債権者であったーカーに挨拶に行ったとき、私の頭にはこの数年間の苦労が駆け巡り、人目をはばからず思わず男泣きに泣いてしまいました。」
「そして3ヶ月後。じりじりと音を立て1枚のファックスが入りました。なんとそれは、イタリアのA社からの契約締結受諾の書類だったのです。「よっしゃー!」誰もが皆我が目を疑い、そして部署全体が歓喜に沸きました。」
この「クライマックス」を盛り上げるために大切なことの1つが、前項の「感情の動きを描写する」ことです。
自己PR文のクライマックスが盛り上がることで、採用担当者のあなたへの共感もクライマックスに達することでしょう。
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