職務経歴書の構成要素 その2
構成要素のもう1つの視点
「職務経歴書の構成要素 その1」では、ベーシックな情報から差別化的情報まで、「情報レベルの階層」の視点でお話をしました。
ここでは、効果的な職務経歴書にするための、構成要素に関するもう1つの視点についてお話したいと思います。
それは、
- 「過去の事実を記述する」要素
- 「未来の可能性を記述する」要素
の2つの要素から見た視点です。
「過去の事実を記述する」要素
これについてはほとんど説明は不要でしょう。
基本的に職務経歴書というのは、「過去の職務についての経歴を説明する書類」ですから、
- どんな会社に勤め
- どんな仕事に携わり
- どんな実績を残したか
といった過去の事実については、意識しなくても書くことになります。
しかし、さらに職務経歴書を効果的にし、ライバルに差をつけるためには、もう1つの要素を意識し、採り入れることが大切です。
「未来の可能性を記述する」要素
職務経歴書に過去の仕事の内容や業務実績について詳しく書くのは、直接的には「あなたがどんなジャンルの業務でどんな実力を持っているのか」を理解してもらうためです。
しかし、もう一歩突っ込んで言えば、そこからあなたを採用した場合の「(過去の実績の)再現可能生」や「貢献可能性」を採用担当者に読み取ってもらい、「採用したい」と思ってもらうためのはずです。
それには、「過去の事実」を詳しく説明するだけでは不十分なことが少なくありません。
そうした「情報の伝達ロス」を防ぐためには、過去の事実から未来の「再現可能生」や「貢献可能性」を抽出し、それをわかりやすく提示することが大切です。
「…をし(てき)た」
だけでなく、そこから
「(だから)…することができる」
を導き出すということです。
職務経歴書の構成パターン
この視点を踏まえて、私が考える理想的な職務経歴書は、下図のような構成イメージになります。
1.職務概要(職務要約)
導入部分。
冒頭で、過去の経歴について端的に説明します。
2.職務経歴
職務経歴書の本体。
過去の経歴について詳細に説明します。
3.抽出要素
過去の事実から未来の「再現可能生」や「貢献可能性」を抽出し、提示します。
この「3.抽出要素」をどんな形で示すのかには様々なスタイルが考えられます。たとえば、
- 【得意な業務】
- 【提供できる知識】
- 【提供できるスキル】
- 【自己PR】
などがあり、自分に最も合った形式を選択します。
※上記では冒頭の「職務概要(職務要約)」の目的を「冒頭で過去の経歴について端的に説明する。」としていますが、実はそこにも抽出した未来の「再現可能生」や「貢献可能性」をわかりやすく提示することで、より訴求効果を増すことができます。
このようにして、「要するに何ができるのか」を「見える化」することで、あなたの職務経歴書をより効果的にすることができます。
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