職務経歴書パート別解説:職歴概要の意義と役割
評価のカギを握る重要パート
職務経歴書に定型のフォーマットはありませんが、私は冒頭には必ず次のような「職務概要(職務要約)」を入れてもらうよう指導しています。
入れるように指導するのみならず、念入りに内容を検討しますので、受講者の中には「そこまでやるの?」と意外に思われる方もいます。
職務経歴書のメインパートは、いうまでもなく「職務経歴」部分です。
しかし、私は職務経歴部分に負けないくらい、冒頭の職務概要を重視しているのです。
それは次のような理由によるものです。
読み手の負担を減らす
職務経歴書は最もボリュームのある応募書類です。
しかも、定型的な履歴書と違い、フォーマットも人によって様々ですから、全体を読み通して内容を把握するのが一苦労です。
もし職務概要がなかったら、職務経歴書全体を通読しなければ、あなたの詳しい経歴の全体像を把握することができません。
読みづらい文章なら、最後まで読まずに不合格の烙印を押されてしまう可能性もあります。
しかし、コンパクトにまとまった職務概要が最初にあれば、そこだけであなたの経歴やウリを端的につかむことができます。
「要するにどういう人なの?」
という「?」に答えられるのです。
職務概要で概要をつかんでもらうことで、メインパートである詳しい職務経歴部分にスムーズに入ってもらうことができます。
その結果精読率は上がり、あなたの経歴やウリをしっかり理解してもらうことができるのです。
読み手をリードできる
もし冒頭に職務概要がなかったら、採用担当者に職務経歴の自力での「読解」を委ねることになります。
しかし、あなたのことをよく知らない人が限られた時間で職務経歴書を読んで、あなたの期待通りに経歴を理解し、評価してくれるとは限りません。
むしろ、思い通りにいかないことの方が多いと考えるべきでしょう。
しかし、職務概要で「自分の経歴・ウリをどう理解してもらいたいのか」を真っ先に示すことで、あなたの職務経歴書の読み方をリードすることができるのです。
つまり職務概要は、あなたの経歴やウリを、あなたが意図する方向で確実に理解してもらうための「水先案内」となるのです。
私がコンサルティングの受講者に口癖のように言っていることは、
「職務概要だけでもあなたを欲しいと思ってもらえる位にして下さい」
ということです。
優れた職務概要は、そこだけで読み手の興味・関心をぐっとつかんでしまいます。
あなたも入念に職務概要を練り上げて、読み手を一気に引き込みましょう。
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