職務経歴書パート別解説:職務概要の実例と改善 その2
職務概要の事例を、もう1つ紹介しておきましょう。
職務概要の事例2(40代男性)
修正前の職務概要
大学卒業以来20年間売り場運営業務に携わり、A社では流行に沿った仕入れ業務、レイアウト作り、在庫管理を行ってきました。合わせて対面販売、クレーム対応など接客業務は多くの場数を踏んだ経験をもち得意としております。これらの経験を踏まえ、B社では7店舗中一番の繁忙店の副店長として売り場運営の陣頭指揮を執り、特に後輩社員教育には力を注ぎ関わった後輩社員が現在では各売り場の中枢を担っています。
総評
販売職における一貫性は主張していますが、キャリアの特徴やその中でのアピールポイントが不明確になっていますので、下記のポイントにおいて見直しが必要です。
経験した2社ともに販売職として勤務した「一貫性」については説明しています。
しかし、実は同じ販売職でありながら、「紳士服売り場」から「登山用品売り場」という、客層も必要な知識もまったく異なる職場への転職をしながら、2社ともに販売実績を残したという、キャリアの特徴について触れていません。
また、経験2社では、求められるスキルがまったく異なりました。
つまり、紳士服売り場では、売り場をゼロから構築して売上を作る「企画力」が求められたのに対し、登山用品売り場では膨大な数のアイテムや多数の従業員・顧客を「マネジメント」する能力が求められましたが、その対比が明示できていません。
中高年の方の場合は、マネジメント経験の有無やそのスキルレベルが採用に大きく影響しますので、しっかりとアピールすることが大切です。。
この方は早くから実績を買われて部下をマネジメントする立場にありましたが、1社目は「チーフ」という役割・肩書を明示していません。
また、2社目のマネジメントがいかに大変であったかが「7店舗中一番の繁忙店」という言葉だけでは実感がわかないので、具体的な数字を使うことが考えられます。
修正後の職務概要
大学卒業以来約20年間一貫して販売職に携わりつつ、ファッションと登山用具というまったくジャンルの異なる2社の売り場の実質的責任者として、それぞれ販売目標をクリアしてきました。A社では主に自主編集売り場のチーフとして、紳士靴売り場をゼロから構築したり、福袋やオリジナルシャツ等数々の企画商品を成功させ、販売促進に貢献してきました。B社では7店舗中一番の繁忙店のマネージャーとして、550アイテムを超える膨大な商品と10名のスタッフを擁する売り場を円滑にマネジメントしてきました。
この方の特徴とウリが、より鮮明に伝わってきませんか?
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