資格の学習手段は通学と通信のどちらを選ぶ?
選んだ学習手段があなたの成果を左右する
まず最初にお断りしておきますが、私が社会保険労務士試験を受験したのは今から10数年前のことであり、今の学習環境とは大きく異なります。
学習手段については主に当時の環境に基づく話になりますが、それでも、勉強法の本質的な部分は今もほとんど変わらないと思っているので、成果を出すための考え方について参考にして頂ければと思います。
ちなみに私の受験当時の様子を紹介すると、もちろんオンライン動画での学習などあるわけもなく、DVDというメディアがまだ普及途上という時代でした。
私は通っていた予備校の講師のレベルが低かったので(失礼)、予備校に通いながらも生講座ではなく「ビデオ講座」を選び、視聴室でVHSのビデオテープをテレビと一体型のデッキで再生して視聴していました(若い人には理解してもらえるかな…^^;)。
通信講座も、送られてくる音声教材はまだカセットテープ(!)が現役でしたが、CDの他、インターネットで音声ファイルをダウンロードできるサービス、DVDによる動画教材なども出てきており、新旧の手段が併存している状況だったと記憶しています。
いやはや、スマホで時と場所を選ばず生講座さながらのオンライン動画が視聴できる今とは隔世の感がありますね。
ただ、使えるツールやメディアが変わっても、通学と通信というくくりでは大きく変わっていないとも言えます。
そして、そのどちらを選ぶかで成果が違ってくることも、やはり変わっていないはずです。
通学と通信のメリットとデメリット
いくら通学したいと思っても、近くに学校がなければ通うことはできません。実際、学校は都市圏に集中しており、通学が不可能な地域はたくさんあります。
また、都市圏に住んでいても、仕事などの都合で実質上通学が無理という人もいます。それらの人にとってベストな選択肢になるのは通信講座です。
住んでいる場所を問わず、通学が不要で、勉強する時間帯も都合に合わせて自由にできるのは、通信講座ならではのメリットであり、人によっては通学以上の学習効率を実現できるケースもあるでしょう。
しかし、一般的には通信教育は次善の策、それも通学からはかなり落ちる選択肢と見るべきです。通学が横綱なら、通信はせいぜい小結といったところでしょうか。
私は前職が通信教育系の出版社勤務でしたから、通信教育の仕組みや内情については精通しているつもりです。
実際のところ、通信教育の利用率や継続率は、一般の人が思っている以上に低いのです。課題を提出する人は受講生のほんの数%、なんてこともけっして珍しくないのです(内緒ですよ)。
まして目指しているのが難関資格の場合、やめずに最後まで勉強を継続できる人は少数派だと思って間違いありません。
最後まで継続できたとして、そこまでの学習効率を考えれば、合格できる確率は通学よりかなり落ちることもまた間違いありません。
おそらく、合格率の差は数倍~10倍にも開くでしょう。
あなたがもし選べる立場なら、どちらの手段を選びますか?
私は往復3時間かかるにも関わらず、迷わず通学を選びました。
上述のように、一口に通信講座といっても一昔前とは違って、学習効率は通学にどんどん近づいています。
しかし、それでも本質的には継続的な自立学習が必要であることは変わりありません。強制されないと勉強できないという人には、今も昔も続かない勉強法なのです。
一方、通学講座では、通学の手間がかかり、それも決まった時間に拘束されるというデメリットがあります。しかし、決まった時間に半強制的に勉強することになることは、実はメリットでもあるのです。
それに、通学ではライバルと席を同じくして刺激を受けながら勉強することになり、自ずとやる気が出てくるというメリットもあります。
それらは、通学でしか得られない、そして合格を果たすために最も重要な要素なのです。
無理をして遠距離通学を選んでも継続が難しいので程度問題ですが、選択が可能であれば通学を優先されることをお勧めします。
両者の中間というべき学習形態が、私のように学校に通学し、DVDなどを視聴して自習するものです。講師が揃わない地域校や、都合で生講座に出席できない人のためにそうした講座が用意されています。
通学の負担はやはり大きいですが、学習上の拘束力や刺激というメリットと、フレキシブルな学習が可能という通信に近いメリットを十分に活用できますので、生講座の受講に準ずる選択肢として検討に値します。
(通学時間やDVD・ビデオの内容によっては、わざわざ時間をかけて通学してまで視聴する価値がないケースもあり得るので、そこはしっかり見極める必要があります)
通学か通信か、この二択によってあなたの成果は大きく違ってきますので、しっかり検討して下さい。
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