資格受験は学習初期が最大の難関
最初の一ヶ月を乗り越える
難関資格の場合は受験勉強も長丁場になりますから、資格を目指す人は「勝負は当分先のこと」というイメージがあるかもしれません。
しかし、私は乗り越えるべき最大の試練は、受験勉強を始めた直後にあると思っています。
多くのサラリーマンの方は、受験勉強とは久しく無縁な生活を送っています。
学習習慣がないところに、一念発起して難しい勉強に取り組むのですから、まずは勉強そのものに慣れるのが大変です。
それも、仕事をしながら、残った時間とエネルギーを使って勉強するのですからなおさらです。
最初はなかなか学習内容が頭に入りませんし、問題も思うように解くことができません。勉強はいっこうにはかどらず、進むのは時間ばかりなり、です。
資格取得後の自分をイメージし、燃え盛っていた学習意欲も、目の前の辛い状況にトーンダウンしていき、
「やっぱり自分には資格試験の勉強なんて向いてないんだ」
「受験勉強よりも仕事をしっかりがんばるべきなんじゃないか」
なんて心の声がささやき始めます。
でも、これは資格試験の受験経験が乏しい人なら誰もが遭遇する試練で、当たり前のことなのです。
私が社会保険労務士の講座に通っていた時も、最初の数回の授業だけであっという間に顔を見せなくなった人がたくさんいました。けっして安くない受講料を払い、同じように意欲に燃えて勉強を始めたはずなのに、残念なことです。
学習初期で一番大切なことは、完璧にこなすことでも人より長く勉強することでもありません。
とにかく「やめないこと」です。
不完全だろうが何だろうが、勉強することだけはやめないで、
「1か月後の自分に必ずバトンを渡す」
それさえ果たせれば、道は大きく開けてくるのです。
勉強時間と学力は比例しない
資格の受験勉強を始めた多くの受験生に、
「がんばって勉強している割に成績が伸びない」
という悩みが訪れます。
しかし、受験勉強では学力は勉強した時間に比例して伸びるわけではないのです。
物事を学ぶ時の時間と成果の関係は、「学習曲線」と呼ばれるS字型の曲線で表されます。
学習初期は、かけた時間の割になかなか成果が出ずに横ばいの線を描きますが、ある時点になると学力は急激に伸び始め、時間あたりの成果が大きくなるのです。
このことを知らずに勉強時間と成果は比例するものだと思い込んでいると、成果の出ない自分の状況に失望して、早々に勉強をあきらめてしまうことになりかねません。
しかし、そこで負けずに食らいついてさえいれば、ある日突然に勉強が「自分のものになり始めた」感覚が訪れるのです。
このことを知っているだけで、あなたの合格の可能性はグンと高まります。
「継続は力なり」というのは単なる教育上の決まり文句ではなく、ガマンして勉強を続けていれば、やがてウソのように力をつけた自分に出会える瞬間が来るのです。
勝負は、そこまでガマンできるかどうかです。
よく読まれる関連ページ
- 受験と切っても切れない関係:和多田と資格(その1)
- 受験と切っても切れない関係:和多田と資格(その2)
- 資格の定義と種類について
- あなたが資格を目指す目的は?
- 資格・免許で最も稼いでいる人は誰か
- 資格と実務経験との関係
- 資格学習が現実逃避になっていないか
- 資格勉強のコストと代償
- どんな資格でも必ず一発合格を目指す
- 難関資格でも会社は絶対辞めないこと
- 受験勉強では「投資」を惜しまない
- 資格の学習手段は通学と通信のどちらを選ぶ?
- 完璧主義は資格取得の敵:いい加減なくらいがちょうど良い!
- 凡人が集中力を発揮する方法
- 16倍の効率で学習する方法とは
- 教材は勇気を持って絞り込むべし
- 「覚えなきゃ」と思ったら脳は閉じる
- 記憶の仕方でライバルに差をつける
- 睡眠の取り方でライバルに差をつける