凡人が集中力を発揮する方法
「集中力をつける」なんて無理
資格を目指すサラリーマンの方のほとんどが、忙しい日常の中から勉強時間を捻出しています。
その限られた時間で必要な成果を上げるために欠かせないのが、集中力です。
同じ時間机に向かっていても、集中力のある人とない人とでは成果がまったく違うのは当然ですね。
とはいえ、努力や修練によって集中力をつけるなんて、凡人にとっては至難の業です。
かくいう私も、集中力が散漫なことにかけては人一倍自信があります(?)が、人生をかけた受験のためにはそうもいっていられず、少しでも勉強に集中できるように苦心しました。
受験を成功させるために大切なのは、集中力をつけることではなく、工夫によって集中力がなくても勉強に集中できる環境を作ることなのです。
「パブロフの犬」状態に自分を置く
人間、誰しもつらいことや苦しいことは好きではなく、好きでないことは長続きしないものです。
受験勉強そのものが好きでたまらないという人はおそらく少数派でしょう。
受験勉強はツライだけでなく、その分大きな喜びも伴うものなのですが、そうはいっても、長期間の受験生活はやはりバラ色とは言えません。
特になかなか成績が伸びなかったり、理解できなくて行き詰まったりしたときなどは、勉強に対するモチベーションはどうしても下がってしまいます。
ですから、モチベーションを維持するためには、何とかして受験勉強に楽しみを持たせることが大切なのです。
自分で目標を設定して、それをクリアしたら積極的に自分にごほうびをあげるようにしましょう。目標は小さなことでも構いません。むしろ、クリアしやすい小さな目標を常に設定するようにしましょう。クリアが難しい目標では逆効果です。
たとえば、「1週間予定通りに学習が進んだら週末にデートする」とか、「○日までに労働基準法が終わったらケーキを食べる」とか、「小テストで○点以上取ったら一杯やる」とか、自分が楽しめることをごほうびに用意するのです。
後に楽しみが待っていれば、勉強もちょっとしたゲーム感覚で楽しんでやれるものです。
そして、目標がクリアできたら、ごほうびを徹底的に楽しみましょう。楽しむことがリフレッシュ効果を生み、次の勉強への集中力をアップさせてくれます。
「目標をクリアする」→「ごほうびを楽しむ」のサイクルをあなたの体に覚え込ませることで、合格をぐっと引き寄せることができるのです。
困難は分割せよ
目の前に大きな困難が立ちはだかっていると、人はゲンナリしてしまいます。それを乗り越えるための方法の一つは、その困難を分割することです。
「合格には1000時間の勉強が必要」なんて聞くとゲッソリしますが、「1日2、3時間でOK」といわれれば、なんとかなりそうな気がしてきますよね。
1日3時間の勉強も、ノンストップでは普通の人はとても集中力がもちません。その場合は、自分が集中できる時間に区切って勉強すればいいのです。
勉強そのものに慣れていない人は、15分とか30分単位で勉強を始めればいいと思います。勉強に慣れ、知識が増え、実力がついてくるに従って、逆に勉強に対する負担感は減るので、集中できる時間は延びていきます。
また、電車の待ち時間や仕事の休憩時間など、1日の中には、5分、10分といった細切れの時間がたくさんあると思います。そうした時間を勉強時間に充てれば、負担感なく、結果として集中した勉強時間が積み上がることになります。その分家での勉強時間も少なくて済むので、より集中力も増すでしょう。
また、休憩や休日は、「戦略的に取る」ことが大切です。
「大切な勉強をさぼって休むなんて」と、勉強を休むことに罪悪感を持つ人も少なくないと思いますが、休みなく勉強を続ければ、必ず集中力は低下していきます。
勇気を持って休養日を設けることで、学習日の集中力は高まり、全体としての生産性は確実に上がるのです。
よけいな情報を排除する
原稿執筆に集中したい作家はホテルに缶詰になるという話をよく聞きます。
受験勉強でも勉強に集中して効果的に情報を吸収するためには、勉強にはじゃまな情報をできるだけ排除した環境を整えることが大切です。
自宅が騒がしくて勉強に集中できない人は、まず落ち着いて勉強できる場所を確保することが先決です。それは、予備校の自習室や図書館かもしれませんし、あるいは喫茶店かもしれません。自分に合った環境を選んでください。
また、基本的なことですが、机の周りが整理整頓されているかどうかは学習効率に影響します。集中力に自信のない人ほど、勉強に必要のないものや気が散る原因になるものは、視界から外したり、手の届く範囲に置かないようにする配慮が大切です。
動きで脳を刺激する
意図的に脳に刺激を与えることで集中力が改善できることもあります。たとえば、勉強中にガムをかむことも効果があります。ガムをかむことが大脳や運動神経などを刺激するためです。ガムをかむスポーツ選手が多いのは、けっしてスタイルの問題だけではないのです。
机に向かうことに飽きたら、勉強する姿勢を変えてみるのも一手です。立ってテキストを読んだり、歩いてみたり。逆にベッドに横になってテキストを読んでみるのもいいでしょう(そのまま眠らないように!)。血流を変えることでリラックスしたり気分転換を図ることができるからです。
また、少し音楽を聴いたり、香りを楽しむのも効果的です。
「勉強に疲れたなぁ」と思うとき、その「疲れ」は肉体的疲労の場合と精神的疲労の場合があります。肉体的疲労の場合は基本的に休養するしかありませんが、それが精神的疲労の場合は、そうした刺激を入れてやることでかなり集中力を改善することが期待できるのです。
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