資格学習が現実逃避になっていないか
目の前の仕事から逃げていないか
このテーマは自分の過去を振り返って自戒の意味も兼ねて書いていますが…
仕事というものは、楽しいこともありますが、とかく思い通りにいかなかったり辛い思いをしてストレスが溜まるものです。
そのストレスは、仕事や同僚、あるいは会社への不満等に形を変えて蓄積していきます。
すると、どうにかしてその不満を解消したくなるわけですが、その代表的な解消手段の1つが、
「転職(願望)」
です。
会社を変わることで、今の仕事環境を「総とっかえ」したくなるわけです。
そして、時としてそれとは別の形での解消手段となるのが、「資格取得」だと私は思っています。
もちろん、資格取得のすべてがそうだと言うのではありません。
今の仕事のスキル不足を補い、レベルアップしていくための「前向きな」資格取得ももちろんあります。
たとえば、総務職のあなたが、専門知識を増すために社会保険労務士資格を目指すのは、向上心にあふれたすばらしい行動だと思います。
また、将来の転職や独立を実現するために、計画的に資格取得をすることもまた、前向きな行動と言えます。
しかし、時に人は、明確な目的もなく資格勉強を始めることがあります。
私が転職コンサルティングを行う方の中にも、過去の職歴と関係がなく、「なぜそんな勉強をしたの?」と不思議に思う人がたまにいます。
そのように、目の前の仕事と関係のない資格に関心が向くようになると、要注意です。
今の仕事が充実している人にはまずそういうことはありませんが、今の仕事や職場に対して不満を感じている人は、
「こんなはずじゃない」
「もっと自分に合った仕事があるはずだ」
という思いから、違う領域の資格勉強に熱が入ることがあるのです。
それは、良く言えば、「自分の新しい可能性や才能の追求」ですが、残念ながらその多くは、「今の仕事で認められないことによる不満の解消」であったり、目の前の仕事や状況から逃避するためであったり、単なる自己満足だったりします。
明確な目的がないが故に、途中で挫折して資格取得に至らないことが多いですし、首尾よく取得したとしても、現実にはそこから何も生まれない、何にもつながらないことが少なくありません。
私は、自己啓発そのものを否定するわけではありません。
誰にも強制されないのに、忙しく働きながら貴重な余暇を受験勉強に充てることは、ダラダラと無益に過ごすよりもはるかにすばらしいことだと思います。
しかし、その資格勉強に前向きな意欲やそれを活かすための計画性が無ければ、やはり貴重な時間とお金の浪費に終わってしまいます。
その貴重な時間とお金は、あなたにとって本当に大切なことに有効に使ってもらいたいからこそ、一度はその資格勉強について自分に問いかけてみてもらいたいのです。
「その資格勉強は、現実逃避ではないか?」
その質問にあなたが自信を持ってNOと言い切れたなら、その時は合格目指してとことん取り組んで下さい。
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