資格・免許で最も稼いでいる人は誰か
資格を取れば本当に稼げる?
書店に行けば、
『稼げる資格100』
みたいな本が棚の一角を埋めています。
今の会社や給料に満足していない人の中には、そうした本を手に取って、
「よ~し、いっちょう資格でも取って人生変えてみるかぁ!」
と熱く意気込む人もいるでしょう。
かくいう私も、若い頃は資格を取ることにいそしんだ時期もありました。
でも、客観的に分析してみると、
「資格」=「稼げる」
という方程式が成り立つとはどうにも思えません。
弁護士のような超難関資格を持っていても「食えない」時代です。
このサイトはサラリーマンのためのサイトですから、独立を除外して企業内で活かすことに限定しても、難関資格を持っているというだけで大手企業に採用されたり高額なサラリーを保証されたりということは、稀なことと言って良いでしょう。
その半面、難関資格ほど取得には、ほぼ確実にたくさんの時間、労力、お金が必要です。
仮に何千時間もの猛勉強をして合格したとして、あなたの時間単価(少なくとも数千円)を考えれば、それだけの投資に見合うリターンを得られるかどうかはかなり疑問です。
そして忘れてはならないのは、合格できればまだしも、そうした難関資格ほど合格者は一握りで、その陰にはおびただしい数の不合格者や脱落者がいるということです。
そうした人たちが資格の勉強に投じた時間や労力、お金は戻ってくることはありません。
逆に、1ヶ月や2ヶ月まじめに勉強すれば取得できる資格なら、それほど労力もお金も必要ないでしょう。
でも、そんなに簡単に取れる資格から、「稼げる」と言えるほどのリターンが得られることもまずありません。
そもそも資格を持っていること自体が重宝されるのは一部の資格だけであり、ほとんどの場合は実務経験を伴っていて初めて評価され、重用されるのです。
資格を持つだけの「ペーパードライバー」が評価されることはありませんが、逆に資格が無くても高い実務能力を持っていれば間違いなく評価されます。
ほとんどの場合において、資格を持っていることと稼げるかどうかは、相関関係が無いと言っても過言ではないと私は思います。
資格で本当に稼いでいるのは…
では、なぜこんなに「稼げる資格」のような本が出版されるのでしょうか?
それは、資格本が出版社にとって「稼げる」企画だからでしょう。
そうした「稼げる資格」のような本に資格学校や受験講座の広告が大量に載っているのは、そうした「資格受験指導」が稼げることの証拠でもあります。
そしてさらに稼いでいるのは、おそらくは受験料や更新料を独占的に受け取るその資格の「主催者」でしょう。
つまり、本当に資格で稼いでいるのは、がんばって資格を取(ろうとす)る人たちではないのです。
ですから、あなたは「資格は稼げる」という幻想に躍らされてはいけません。
あなたが資格を取るのは、それを通じて(きっかけとして)職業人としてスキルアップをして、より高いレベルで仕事ができるようになるためであるべきです。
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