SPI:言語 頻出問題7『長文読解』
出題傾向と問題の概要
テストセンターとペーパーテストの両方で出題可能性のある問題です。
長文を題材に、空欄に入る語句、下線部の指すもの、本文全体の趣旨などを選び出します。
出題サンプル
問題 次の文を読んで問いに答えなさい。
「仕事ができない人と人物としてイマイチな人、どちらが先に辞めてほしいと考えますか?」
ある企業の人事担当者は、こう断言します。
「仕事ができないだけなら、[ 1 ] でいくらでも改善できると考えています。当然、適材適所がありますから、その人の [ 2 ] 、向き不向きを正確に知る必要はあります。それでも組織の中での仕事で『絶対にこの人にしかできない』というスペシャルなワークは、実はそれほどありません」
だから一定のトレーニングを施せば、ある程度の水準の仕事はできるようになるというのです。しかし、問題は、そのトレーニングの効果がない人だといいます。
「例えば、そもそも学ぶことを放棄している人がいます。教えられるのが嫌だ、自分は自分のやり方でやりたい、という人もそうでしょう。成長意欲という大げさな言葉ではなく、新しいことを学ぶことを拒否するタイプです。若手と呼ばれる層にも一定の数存在しますが、中高年にも多く見られます」
こういうタイプは [ 3 ] ができれば良く、それ以上の上積みは難しい。結果として、成長し続ける組織にとってはお荷物な存在以外の何物でもない、ということになってしまうのです。こういう人たちに対し、意識を変化させることで成長意欲を促進し、戦力として強化する、という方法を多くの企業はとってきたのですが、最近は様変わりしつつあります。「効率を考えると、そこに投資するのは無駄かもしれない」、企業はそう考えているのです。
もう一つ、仕事ができないよりも厄介な人に貼られているレッテルで一般的なのは「組織になじまない」というものでした。これを読んでいる中間管理職の皆さんからは「そんなの、当然じゃないか」という声が聞こえてきそうです。実際、このあたりのサーベイを慎重に実施してみると、いくつかの企業で「周囲から浮いている人はパフォーマンスを出せない」という結果になるのです。
ただし、誤解しないでほしいのは「その組織において」というただし書きが付く、ということです。その組織にはまったく順応しておらず、浮きまくっている存在であっても、別のコミュニティーでは極めて高い能力を発揮し、それこそ「凄い存在である」と認められている人は、世間にはゴロゴロいますから。しかし「組織で働く」、もしくは「組織に貢献する」という観点から見ると、個人の能力が抜きんでていることよりも、周囲との順応性の高さのほうが、結果として組織には貢献するということになるのです。
(1)[ 1 ] [ 2 ] に入る語句の組み合わせとして最も適切なものを、A~Eの中から1つ選びなさい。
[ 1 ]:[ 2 ]
A 学習や成長:能力や志向
B 教育や育成:能力や志向
C 能力や志向:学習や成長
D 能力や志向:教育や育成
E 教育や育成:学習や成長
(2) [ 3 ] に入る語句として最も適切なものを、A~Eの中から1つ選びなさい。
A 自己満足
B 現実逃避
C 適材適所
D 現状維持
E 組織貢献
(3)本文中の下線部「そこ」の指すものとして最も適切なものを、A~Eの中から1つ選びなさい。
A 仕事ができない人
B 組織になじまない人
C 意識を変化させることで成長意欲を促進し、戦力として強化すること
D 成長し続ける組織
E 新しいことを学ぶことを拒否するタイプ
解答
※「Business Media 誠」の記事から引用・改変しています。
(1)
次の段落で「だから一定のトレーニングを施せば、ある程度の水準の仕事はできるようになる」とあることから、[ 1 ]はトレーニングに相当する「教育や育成」が適切。
[ 2 ]は、前後の「適材適所」「向き不向き」から、本人に備わっているものと考えられるので、「能力や志向」が適切。
したがって、B.教育や育成:能力や志向が正解。
(2)
直後の「それ以上の上積みは難しい」や、次の文の「成長し続ける組織にとってはお荷物な存在以外の何物でもない」から、「成長しない」に類する内容になると推測できる。
したがって、D.現状維持が正解。
(3)
Aは冒頭でトレーニングで改善できる対象とされているので不適切。
Bは次の段落以降に出てくる内容のため不適切。
Dは望ましい組織であり明らかに不適切。
Eは間接的には当てはまるが、より直接的には「Eのような人物をどうにか戦力に変えること」という直前の内容を指す。
したがって、C.意識を変化させることで成長意欲を促進し、戦力として強化することが正解。
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