人に歴史あり
私はコンサルティングの最初に必ずヒアリングを十分に行う。
時間にして1時間半~2時間程度、時には3時間を超すこともある。
本人が書いた履歴書や職務経歴書を見るだけでは、その人のことを10分の1も理解できないからだ。(実際、ヒアリングによって書類を改善する材料も驚くほどたくさん出てくるのだ)
時には横道に脱線しながら、とにかくいろんなことを聞いて、少しでもその人の実態に近づこうと努める。
受講者のキャリアは本当に人それぞれだ。
キャリアがわずか数年の人もいれば、30年以上の人もいる。
転職を10回もしている人もいれば、初めての転職の人もいる。
人も羨むような年収の人もいれば、少なさに驚くような人もいる。
挫折のないキャリアの持ち主もいれば、失敗の連続のような人もいる。
聞けば誰もがピンと来る仕事をしている人もいれば、少し聞いただけでは内容が理解できないような特殊な仕事をしている人もいる。
当たり前のことだが、2人として同じ経歴の持ち主はいない。
ある程度のパターンはあるが、それでも細かく見れば、やっぱりまったくの別物である。
自分は極めて平凡だという人でも、詳しく聞けばエピソードの宝庫だ。
業界の裏事情。
仕事上の初めての経験。
輝かしい成功の瞬間。
忘れられない痛恨のミス。
1人の社会人のこれまでのキャリアをギュギュっと凝縮したものを、独占して聞くことができる。
ある意味ではこれ程ぜいたくなことはない。
この仕事の醍醐味の1つだと思う。
私個人のキャリアなど知れたものだが、たくさんの受講者のそれぞれの何十年にも渡るキャリアの話を聞いているわけだから、延べで言えば膨大な年数のキャリアに接していることになる。
大げさに言えば、歴史の一部に触れているようなものだ。
今日も新たな歴史の1ページに触れることができる。
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