Vol.22 ポーカーフェイス
私は元来、思っていることが顔に出やすいタイプである。
妻からも、
「わかりやす~ぃ」
とからかわれることがしばしばだ。
また、お化け屋敷やホラー映画を前にしたら、恐怖を押し隠すどころか、なりふり構わず一目散に逃げ出すタイプである。
しかし、コンサルタントとしては、感情を表に出さないことが必要な時もある。
求人に応募をしてもなかなか結果が出ないと、受講者は不安が募ってくるものだ。
「本当に私は転職できるのだろうか」
「何かを変えないといけないのでは」
受講者の結果が出ていない時は、私の気持ちも揺らぐ。
「どうして結果が出ないんだ」
「コンサルの内容が間違ってはいなかっただろうか」
転職活動の成果を改善するために安からぬお金をもらってコンサルティングをしているのだから、責任を感じるのは当然のことだ。
しかし、私まで不安な気持ちを顔に浮かべていたら、受講者の不安はさらに増すだけだ。
指導するべきことを指導し、やるべきことをやってもらっているのであれば、結果が出ることを信じて待つ他ない。
揺らいだ気持ちを抑えて、
「大丈夫です。やっていることは間違っていないですから、そのうち必ず結果は出ますよ。」
と、どっしり構えていなければならないのだ。
ライバルがひしめき、採用にはいろんな条件が関わってくる転職活動では、結果が出ないことにいちいち反応していてはキリがない。
こちらが万全の準備をしていても通らない時は通らないし、逆に思わぬところで内定が転がり込んで来ることもある。
実際、あれだけ不安で落ち込んでいた受講生が、次のミーティングで別人のように明るい声で報告してくる、なんてことはしばしばだ。
そんな時には私だって飛び上がるほど嬉しい。
「ねえ、だから大丈夫だって言ったでしょ!?」
ポーカーフェイスなんてどっかに飛び去っている。
たぶん、わかりやすいんだろうな。
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