退職にもノウハウがある
知識の有無が数百万の差を生むことも
転職活動には必要な転職ノウハウというものがあります。
私は転職コンサルタントとしてそれを伝え、サポートを行なっています。
しかし、会社を辞める際にも「退職ノウハウ」と呼ぶべきものがあります。
そして、そこには多くの法律が絡むため、転職ノウハウよりも厳密な知識や手続きが必要になります。
主だったものだけでも、労働基準法、雇用保険、健康保険、厚生年金保険、所得税、住民税などの知識が必要になりますし、労災保険、介護保険、国民年金、国民健康保険なども関係してきます。
はっきり言って複雑ですし、正直に言えば社会保険労務士資格を持っている私もすべてに精通しているわけではありません。
ましてや、人事・労務に携わらない一般のサラリーマンの方が、退職時にそれらを理解し、活用することは、かなりハードルが高いことでしょう。
そして、現実にはまともな知識が無くても会社を辞めることはできてしまいます。
放っておいても会社が様々な手続きを進めてくれるからです。楽チンですね。
しかし…
会社はあなたに有利なように手続きをしてくれるとは限りません。
というよりもむしろ、いなくなってしまうあなたの利益よりも、間違いなく会社の利益を優先します。
退職者と会社の利益は相反することが多いですから、当たり前のことです。
あなたの知識不足につけ込んで、会社の良いように手続きされてしまう可能性もあるのです。
退職する際だけでなく、退職した後に行わなければならない手続きもいろいろあります。
そこで手続きを間違ったり、あるいは手続きを行わなかったりすれば、あなたは大きな損失を被る可能性があります。
一連の「退職ノウハウ」の有無で、場合によっては数百万円もの金額差が生じる可能性だってあるのです。
だからこそ、あなたはできる限り勉強しなければなりません。
会社を辞めるからには、自分の身は自分で守らなければならないのです。
1冊は本を手に取るべし
勉強しなければならないと言っても、あなたは社会保険労務士になるわけではありませんし、プロ並みの知識を身につける必要もありません。
大切なポイントを外さないだけの知識があれば良いのです。
このサイトもその助けとなるように意図していますが、残念ながらすべての人のケースについて個別に詳しく紹介することはできません。
法律に厳密に、かつ体系的に漏れ無く説明しようとすると、逆にどんどん本質がわかりづらくなってしまうので、このサイトの目的から外れてしまうからです。
このサイトで概要を頭に入れてもらった上で、大きな書店に足を運んで、少なくともマニュアル本の一冊は購入し、目を通しましょう。
会社を辞めるということは、大げさでなくあなたの人生がかかっているのですから、それくらいは最低限の投資です。
自分にとってわかりやすい、読み通せそうと思うものを選びましょう。
気をつけることは1点、「新しいものの中から選ぶ」ということです。
社会保険関係の法律は複雑であるだけでなく、改正が頻繁にありますので、数年前の本だと大切な判断を間違ってしまう可能性があります。
「ルールが変われば正解も変わる」ので、くれぐれも古い情報に惑わされないように注意しましょう。
後で「あの時はこうすればよかった」と思わなくて済むように、しっかり知識武装して、たくましいサラリーマンになって下さい。