転職を成功させるお金と時間の使い方:「投資」できる人の強さ
2種類のお金の使い方
「お金を使う」という行為には、2つの種類があります。
1つは、何の見返りももたらさず、ただ費やされるだけの「消費」や「浪費」です。
趣味や飲み会に掛けるお金などがそうですね。
もう1つは、将来見返りをもたらす(可能性のある)「投資」です。
たとえば、資格を取るための学校の受講料は、将来のスキルアップ、ひいては収入アップをもたらす可能性があるので「投資」に当たります。
そして転職活動は、成果によって時には数百万~数千万もの違いを生じる活動です。
お金をかけてでも転職の成功確率を高める、つまり転職活動に「投資」することができるかどうかが、あなたの成果を左右する可能性は大いにあります。
具体的な事例をいくつか紹介しましょう。
2年分の後悔
拙著「転職・再就職のための『自己PR文』の書き方」の本にも採り上げたのですが、ある方は財務・経理のプロでありながら、様々な事情で長期失業者となっており、私のコンサルを受講された時には、すでに2年を過ぎていました。
途中からは応募する気力さえなくなっていたそうで、自信を喪失した様子は痛々しいほどでした。
しかし、応募書類をマンツーマンで練り上げ、活動の課題を1つ1つ潰していくことによって、受講開始から2ヶ月で複数の内定を得るに至ったのです(しかも相当な好条件で)。
それだけ劇的な成果が出せたのは、元々本人に優れたスキル・経験があったからこそなのですが、再就職が決まった時に、しみじみと言われました。
「もっと早く和多田さんのコンサルを受講すれば良かったです…」
この方の退職前の年収を考えると、その2年間超の失業中に失った収入は、軽く1,000万円を超えます。
それに対して私が頂いたコンサルテイング報酬は、10万円ほど。
お金だけの問題ではありません。
その長い失業中に失った貴重な時間、そして味わった精神的な辛さは、お金では計り知れないものです。
これは極端な例かもしれませんが、こうした話は様々なレベルで存在します。
くたびれたスーツ
またある方は、私のセミナーの受講者でしたが、お会いした瞬間に違和感を感じました。
よれよれにくたびれたスーツに、擦り切れて汚れた靴。そして覇気がなくドヨンとした目。
この方も失業が長くなったことによる強烈な「負のオーラ」を発していたのです。
これでは、面接官もとても採用したいという気持ちにならないはずです。
迷いながらもそのことを指摘すると、ハッとした顔をされていましたが、その日の夜にその方からメールが届きました。
「今日、帰り道に洋服屋に寄って、スーツを新調してきました!明日は靴を買ってきます。お金を節約することばかり考えてましたけど、やっぱり戦闘服をケチってはダメですよね」
後日、その方から無事転職が決まったという嬉しい報告がありました。
新しいスーツと靴が転職をもたらしたとまでは言いませんが、それによって転職活動への覚悟や本気度が増したはずですし、それはきっと採用側にも伝わったはずです。
スーツと靴の購入費用は数万円。それがきっかけでこの方は500万円以上の年収を手にされたのです。
そしてその時に買ったスーツや靴はムダにならず、新しい職場でしっかり着用されています(笑)。
郵送代の代償
また、私は書類選考を突破するための手段として「郵送応募」を勧めています。
ネット応募なら1円もお金がかからないところ、郵送で応募すると、印刷代に履歴書の写真代、封筒代に切手代も掛かってきます。
応募の数が少なければ気にならない負担も、何十社となるとバカになりません。
しかし、そのお金を出し惜しんでネット応募にこだわる人と、郵送にお金を出せる人では、明らかに成果が違ってくるのです。
あるコンサルの受講者は、受講前半年間で、実に約300社の求人にネット応募を行なってきたものの、面接に進めたのはわずか5社ほどで、内定は皆無でした。
「だって、ネットで応募すればお金がかかりませんからね」
しかし、一緒に応募書類を徹底的にブラッシュアップし、郵送応募に切り替えてもらったところ、約1ヶ月、30社程度の応募から2社の内定を獲得できたのです。
郵送応募にかかった費用は、全部合わせてもせいぜい1万円程度だったでしょう。
(それにコンサル費用が加わりますが…)
その数万円のお金を惜しまなければ、半年間のブランクは大幅に短縮され、その何十倍もの収入を得ていたはずです。
このように、成果を出すために必要なお金は、「費用」ではなく「投資」です。
経済状況は人それぞれですので一概に言えないところはありますが、この「投資」の意味を理解し、「お金を使うべきところには使う」という意識を持てる人が有利となることは間違いないでしょう。
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