あなたは「ワンオブゼム」である:客観的な視点がないと転職は遠のく
あなたは「ワン・アンド・オンリー」の存在ではない
転職活動というのは、基本的には孤独な活動です。
たとえば、他の転職希望者と集まって積極的に情報交換をしたり、また応募書類を見せ合ったりすることはあまりないはずです。
また、企業に応募した場合も、中途採用の場合は面接で他の応募者と顔を合わせることはまれです。
落選した理由も、どの程度の評価だったのかも、応募企業から知らされることはほとんどありません。
なので、どうしても情報が限られ、自分本位の視点に留まってしまいがちになります。
つまり、「多くのライバルの中の自分」という視点が欠けてしまうのです。
しかし、実際は転職活動をしているのはあなただけではなく、同じ求人に応募者が殺到する状況なのですから、自分がその中の1人であり、その中から選ばれなければいけないのだ、ということを常に意識する必要があります。
仕事柄、私はいろんな転職希望者の方と、お話をしたり、書類を読んだりします。
そこでいつも感じるのが、「自分本位」「客観性の不足」です。
典型的なのは、自分のしてきた仕事の中身や自分の強みなどを、わかりやすく伝えることができないケース。
自分のいた業界や職種、あるいは会社の常識などを、相手も知っていて当然とばかりに、業界用語を連発したり、不十分な説明しかしなかったり。
これは、採用担当者の視点が不足していることから起こることです。
話をしてもそうなのですから、応募書類もいわずもがなです。
「それってどういうことですか?」
「それは、~ということですか?」
という質問を私が繰り返して、ようやく事実にたどり着けることが少なくないのですが、それは実際の転職活動の場では致命的です。
採用担当者が常にその業界や職種に詳しいとは限りません。
たとえそうだったとしても、あなたについて詳しく知っているわけではありません。
限られた紙面や時間で自分について理解してもらわなければ、採用されるはずはないのです。
ダラダラと長い書類や読みづらいレイアウトなども、採用担当者の視点や、多くの応募者の中の1人、という意識があれば違ってくるはずなのです。
それから、自分の経験や実績の客観的評価、というのも重要な点です。
たとえば、その年令やキャリアからすればできて当然のようなことを、自信満々に猛アピールしたりすると、逆に、
「この人は自分をわかってない」
「レベルの低い職場にいたのかな」
などと、評価を下げることにもなりかねないのです。
逆もまた然り。
以上のような状況を避けるためには、できるだけ第三者からチェック・評価される機会を設けることが大切です。
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