なぜ転職活動で挫折するのか:転職活動と成功曲線
成功曲線とは
転職活動は数日で終わるような短期的な活動ではありません。
個人差はありますが、多くの人が活動開始から内定獲得まで少なくとも2~3ヶ月間、半年以上を要する人も少なくない、「中期的プロジェクト」です。
そこでは誰もが順調にゴールまでたどり着けるわけではありません。
今このページを読んでいる人の中にも、思うように準備が進まなかったり結果が出なかったりして挫けそうになっている人もいるかもしれません。
また、在職者の場合は、実際に途中で転職活動を断念してしまう人もいます。
しかし、「成功曲線」(あるいは「成長曲線」)というものを理解していれば、転職活動の挫折を回避できる人も少なくないでしょう。
成功曲線とは、経験則から導かれた、活動量と成果の関係を指します。
人は何かを行う時、活動量に比例して成果が得られることを期待します。
ところが、実際にはそのように進むことはまれであり、多くの場合、活動の序盤は活動量に比べて成果はほとんどあがりません。
しかし、活動を続けていくうちに知識や経験が蓄積されていき、ある時点になるとそれまでの苦労がウソのように急激に成果が上がるようになるのです。
つまり、活動量と成果の関係は正比例ではなく図のようにS字の曲線を描き、これを「成功曲線」と言うのです。
成功曲線は転職活動にも当てはまる
この関係は、転職活動にもそのまま当てはまります。
転職活動の序盤は、転職についていろいろなことを調べたり、応募書類を作成したりと、手間ばかりかかります。
準備作業が終わって応募を始めても、当初はなかなか反応が得られずに我慢の時間が続きます。
そこで成功曲線を知らない人は、
「これだけがんばっても成果は出ない」=「この先もがんばっても成果は出ない」
と考えてしまい、転職活動への意欲を失ってしまいます。
しかし、そこで諦めずに応募書類を見直したり企業へのアプローチ方法を見直したりと試行錯誤しながら応募を続けていくと、ある時点から急に手応えを感じられるようになります。
それまでの努力が実り、面接の誘いが着実に入り、話が先に進んでいく時期が来るのです。
成功曲線を知っていれば、その時期の到来を我慢強く待つことができるでしょう。
私のコンサルの受講者も、序盤にはみんな苦労しますし、疑心暗鬼になったり弱音を吐いたりする人も少なくありません。
そんな時には、この成功曲線の話をし、「今は苦労して当たり前」「今は我慢のしどころ」ということを繰り返し伝えます。
すると、タイミングの違いこそあれ、ある時点から必ず手応えを感じ始め、顔色が変わってくるのです。
そこまでいけば、あとは自ずとゴールは近づいてきます。
転職コンサルの大切な仕事の1つは、そのターニングポイントまでいかに受講者のやる気を維持するか、ということだと言えます。
The darkest hour is always just before the dawn.(夜明け前が一番暗い)
ということわざもあります。
あなたも成功曲線を信じてぜひがんばって下さい。
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