初めて内定を獲得した時の対応
内定獲得はスタートライン
内定の持つ重みは人によって違うでしょうが、初めての内定は特に格別のものがあります。
苦労の甲斐あって、たくさんのライバルの中から、「ごく限られた数のイス」を射止めたわけですから。
また、内定を得るまでは、あなたには選択肢がありませんでした。
しかし、内定を得た今、あなたにはその会社に行く権利も、また断る権利もあります。
あなたには選択肢ができたのです。
でも、あなたはまだ入社が決まったわけではありません。
内定獲得は1つのゴールでもありますが、ある意味では大事な最終局面のスタートラインにようやく立ったとも言えるのです。
そこからの対応が本当の意味であなたの命運を左右します。
大いに喜びながらも、気を引き締めていきましょう。
すぐに結論を出さないこと
いくら内定が嬉しくても、即決で返事をしてしまうのは避けましょう。
たとえその時点で「入っても良い」「入りたい」と思っていた会社だとしてもです。
その理由は、次の通りです。
本当にその会社で良い?
世の中には実にたくさんの会社があります。
たまたま最初に内定をくれた会社に決めてしまって本当に良いのでしょうか?
- 条件的に問題はありませんか?
- もっと条件の良い会社に採用される可能性は?
- その会社の評判や経営状態などは大丈夫ですか?
- 家族にとっても望ましい会社ですか?
考えるべきことはいろいろとあります。
条件はきちんと確認できている?
そもそも、採用の条件はきちんと確認できているのでしょうか?
内定を取るまでは面接をクリアすることで精一杯で、詳しい条件面の話をできていないことが珍しくありません。
あなたが前提として考えている条件が、思い込みに過ぎない可能性があります。
給料の額、仕事内容、勤務地、残業の扱い、休日、年金や保険について等…
「たぶん大丈夫だろう」ではなくて、最終的な返事をする前に、不明な点は残さず確認する必要があります。
入社してからでは遅いのです。
条件交渉の余地はない?
内定が取れなくては始まりませんから、内定を取るまでは、条件面について本音を出しづらいもの。
しかし、内定を出された時点で、あなたと企業は基本的に対等に近い立場になりますから、本音を切り出していくチャンスが生まれます。
あなたを戦力として必要と判断をしたわけですし、会社もあなたに逃げられては困るのです。
提示されている条件が希望の最低ラインに届いていなければ、当然条件の見直しを打診すべきです。
仮に提示条件が妥協できる範囲であっても、多少の上積みがされる可能性はありますから、ダメ元でトライしてみる価値はあります。
他の会社の対応は?
内定を出した会社の他に選考中の会社がなければ問題ありません。
しかし、選考中の会社、それも内定企業に負けないかそれ以上の優先順位の会社が残っている場合は、そちらの選考結果を待たずに結論を出すのはできれば避けたいもの。
多少なりとも返事が延ばせれば、その間に別の会社の結果がもらえたり、何らかの働きかけができる可能性もあります。
内定企業への具体的な対応策
即決で承諾の返事をするべきでないのは上述の通りです。
ただし、承諾を渋る姿勢を見せて、「この人は入社する気がないのでは?」と思わせないようにする必要があります。
下手をすると、内定の提示を無かったことにされてしまう可能性があるからです。
大切なのは、「入社には前向きである」ことを明確にした上で、「若干の猶予をもらう必要性」を伝えることです。
例えば、次のような感じです。
『内定を頂き、大変嬉しく思います。ぜひお世話になりたいと思っておりますが、私だけでなく家族にとっても一大事です。家族ともじっくり相談し、皆が御社への入社を納得し、喜んでくれた状態でお世話になりたいと思っています。つきましては、誠に勝手を申して恐縮ですが、1週間ほど正式なお返事を待って頂けないでしょうか?』
なお、時間の猶予をもらう理由として、「他社の選考結果待ちのため」と伝えることは厳禁です。
「他社の内定が出たらそちらに行くつもり」だと言っているのと同じことなので、内定を取り消される危険性があります。
猶予期間を希望通り1週間もくれる企業は多くないと考えた方が良いでしょう。
もし2、3日しか待てないと言われても、受け入れるしかありません。
その間にできる限りの手を打ちます。
なお、内定通知は電話で来ることが多いですが、メールで来る場合、あるいはいきなり通知書が郵送されてくる場合もあります。
電話の場合は上記のように対応しますが、メールや郵送の場合は、届いてからすぐに担当者に電話をかけて、上記のようにお願いしましょう。
判断に迷って、届いてから何日も放置していると、入社の意思を疑われてしまうので注意しましょう。
猶予期間の動き方については、次の「条件交渉の具体的な流れ」でお話します。