転職先を決めた時の対応
各方面への連絡を適切に行う
入社する1社が最終的に確定するまでは、残された時間をフルに使うことが鉄則です。
内定に対する最終的な返答までの猶予期間をもらい、その間にできる限り情報を集めたり、交渉をしたり、あるいは他社の選考を待ったり…
しかし、総合的な判断の結果、「この会社だ」と決断したのなら、今度はその決断を関係各方面に迅速に伝えるべきです。
入社先への連絡
まずは、入社先の採用担当者にいの一番に電話を入れます。
(人材紹介会社からの紹介案件の場合には、担当コンサルタントに内定承諾の連絡をします)
これから長くお世話になるはずの会社です。
返事が遅くなった非礼をわびた上で、心をこめてお世話になる旨を伝えましょう。
そして、今後の手順やスケジュールについて確認・相談をしていきます。
他の内定企業や選考中の企業への連絡
入社先を決断し、入社が確実な状況になったら、他の内定企業や選考中の企業にも早急に辞退の連絡を入れます。
特に内定をもらっている企業に対しては丁重に非礼をわびましょう。
あなたの選考には、先方も多大な労力を使っていますし、先方の期待を裏切ることになるのです。
また、中途採用の多くは1名か最小限の人数のみの採用になります。
多くの企業が、内定通知出した段階で他の応募者には落選の通知を行っています。
あなたが内定を断れば、次点の応募者に内定を出さざるを得ませんが、その人も時間が経てば他の会社に行ってしまう可能性がありますから、一刻も早く辞退の連絡をすべきです。
もちろん、内定企業に限らず、選考過程にあった企業への対応には絶対に礼を失することのないように注意しましょう。
あなたが辞退した企業とは、転職後にいつどんな形で取引があるかわかりませんし、狭い業界ならあなたの評判がいっぺんに広まってしまう恐れもあります。
それに、万一何らかの事情で入社の話がなくなった場合、丁重な対応をしていれば、他社で選考を継続してもらえる可能性もないとは言えません。
どの会社に対しても、社会人として良識のある対応を心がけて下さい。
人材紹介会社への連絡
あなたが辞退するのが人材紹介会社からの紹介案件だった場合は、担当コンサルタントに辞退の連絡を入れます。
自社が紹介した会社に入社してくれなければ、人材紹介会社はそれまでのサポートがすべて無駄骨に終わり、一文にもなりません。
ですから、もちろん残念がるでしょうし、翻意するように説得されるかもしれません。
しかし、あなたが十分に検討した上での決断ですから、今までのサポートに対する感謝を丁重に述べつつも、毅然として結論を伝えましょう。
(ただし、将来的に再びお世話になる可能性があることも念頭に置いておきましょう)
そして、今後の案件紹介は不要であり、登録を外してもらうようにお願いします。
在職の場合の会社への通知
退職通知のタイミング
在職の方は、必ず転職先が確定した後に会社に退職の意思表示をします。
(不要なトラブルを避けるためには、転職先が決まる前に伝えてはいけませんし、同僚などにも事前に漏らさないことです。)
実は、労働基準法上では、退職の何日前までに会社に通知しなければならない、という規定はありません。
(民法には、雇用契約は退職の申出後2週間で契約が終了するとの規定はあります)
しかし、会社の就業規則では通常「○日前までに会社に通知すること」のような規定を設けていますから、それに従いましょう。
退職の通知方法
また、退職の通知方法についても、法律に規定はありませんので自由ですが、就業規則に定められていればそれに従うのが無難です。
口頭での意思表示でも法律上は有効ですが、「言った」「言わない」の問題が生じないように、書面による通知をすることが大切です。
慰留・引き止めを受けることもあるでしょうが、あなたの決意が固いなら決然と対応しましょう。
ただし、退職後の業務ができるだけスムーズに行われるように、自分の仕事を後任へしっかり引き継ぎをしておくことは社会人として最低限のマナーです。
円満退職ができるように十分に配慮しましょう。
退職願/退職届
【退職届サンプル】
退職通知を行う際、「退職願」あるいは「退職届」とするのが一般的です。
「退職願」の場合は会社側の承諾を求めるものであり、提出後に退職を撤回することも一応は可能です。
一方、「退職届」は最終的な意志の通告であり、特段の事情がなければ撤回はできないという判例があります。
退職時の対応や手続きについては、「失敗しない退職の心得」の章で詳しくお話します。