究極の条件外応募?求人が出ていない会社に応募する
求人が出ていない会社という選択肢
「あなたは氷山の一角しか見ていない?:雇用の顕在需要と潜在需要」で見たように、人材需要というのは求人が出ている会社だけでなく、求人が出ていない会社にも存在します。
そのように、市場に求人として出回らない人材需要を「潜在需要」と呼んでいます。
この潜在需要は多くの会社に存在するものの、その種類やレベルは様々であり、それを把握することは困難です。
したがって、採用可能性のある会社にピンポイントで応募することは不可能であり、そこから成果を得るためには相当の「ムダ撃ち」を覚悟する必要があることも事実です。
しかし、その一方で、この潜在需要は「ライバルがいない無競争の世界」であることが大きな魅力です。
ここでは、この潜在需要への応募について考察していきます。
潜在需要応募のメリット
まず、潜在需要に応募していくことのメリットを整理してみましょう。
そこにはいくつもの利点があります。
ライバルがいない
すでに触れたように、第一のメリットは、「ライバルがいない」ということです。
求人の出ていない会社に応募する人はほとんどいませんから、もし応募先から反応が得られた時は、選考の俎上に乗るのは「あなた1人だけ」です。
そこであなたが採用に値すると判断されれば、即採用となり得るのです。
希望の会社・仕事に応募できる
第二のメリットは、好きな会社・仕事に応募できるということでしょう。
「出ている求人の中から応募先を探す」という制約がないのですから、自分の判断で応募先を決め、応募することができます。
結果がすぐに出る
その他のメリットとしては、「結果がすぐに出る」ということが挙げられるでしょう。
上述の通り、応募に対して反応があった場合、選考対象はあなただけなので、採用検討の期間は極めて短く済みます。
もちろん採用になれば言うことはありませんが、採用されない場合も待たされることはないので、すぐに次に頭を切り替えることができます。
職業人としての自覚・積極性が芽生える
潜在需要応募のメリットをもう1つ付け加えるなら、
「職業人としての自覚・積極性が芽生える」
ということが挙げられるでしょう。
潜在需要への応募活動というのは、ハローワークや人材紹介会社、あるいは求人サイトのような用意された転職システムに乗っかって行うものではありません。
あなた個人が、求人もしていない会社に、身一つで乗り込んでいくようなもの。
まさしく、転職活動における「飛び込み営業」なのです。
そこには「採用されれば貢献できる」という確たる自信や信念が必要ですし、いくら門前払いを食らってもへこたれない不屈の精神が必要です。
潜在需要への応募活動は、あなたを一人の独立した職業人として成長させてくれることでしょう。
潜在需要応募の採用側のメリット
実は、潜在需要応募は、あなただけでなく採用側にとっても下記のようなメリットがあります。
- 採用コストがかからない
- たくさんの応募者の面接も不要
- 積極的・能動的な人材を雇用できる
向こうから優れた人材(あなたのことです)がやって来てくれるのですから、採用コストはほぼゼロですし、使えない人材の選考に時間を費やされることもありません。
しかも、相手は自分で考えて能動的に動けるアクティブな人材です。
あなたが応募を遠慮する必要など無いのです。
潜在需要応募のデメリット
潜在需要応募には上述のような様々なメリットがある一方で、打ち消しようがない本質的なデメリットもあります。
ですから、万人にお勧めできるものではありません。
そのデメリットを十分理解した上で、本気で取り組む覚悟が必要です。
反応が得られる確率は相当に低い
社員に100%満足している会社はなく、程度の差はあれ、どの会社にも人材需要はあります。
それでも、諸般の事情で、新規に社員を雇い入れる意思がない会社は数多く存在します。
ある調査では、約4割の企業が「人を採る予定はない」と回答していますが、そうした企業にいくらアプローチをしても、残念ながら採用の可能性はありません。
また、完全に門戸を閉じていない企業も、積極的に採用する意思がないからこそ求人を出していないわけであり、アプローチに対して反応してくれる企業は、ごく一握りと考える必要があります。
求人への応募のように、10社や20社アプローチしても反応が得られないからと諦めるようでは、潜在需要応募で成果を得ることは難しいでしょう。
人並み以上のものがなければ成功しづらい
いくら潜在需要応募ではライバルがいなくて無競争だとは言っても、もともと強い求人意欲がない企業に採用を決断させるわけですから、それなりの明確なウリ・強みが必要です。
顕在需要への応募でなかなか採用に至らないからと言って潜在需要応募に取り組んでも、あなたの能力が人並み以下だとすれば、残念ながら潜在需要応募でも成果を得ることは難しいでしょう。
「営業力」が必要
潜在需要応募は、通常の応募のように、人を採りたい企業に応募をし、選考を受けるのとはわけが違います。
そもそも応募書類を読んでもらうことすら難しいですし、なんとか面接の約束を取り付けられても、自分の強みや採用メリットを説得力を持ってプレゼンテーションできなければ、やはり採用されるのは困難です。
潜在需要応募は、転職活動における「飛び込み営業」と言いましたが、文字通り、そこでは自分の専門領域の経験・スキルとは別に、それを売り込むための「営業力」が必要です。
「人付き合いは苦手」
「営業なんてやったことがない」
という人には、敷居が高いことも事実でしょう。
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