生命保険との賢い付き合い方
家、車と並ぶ人生の三大支出
日本人は保険が本当に好きだなぁ、とよく思います。
「万一」に備えることの大切さを否定するものではありませんが、「リスクを超える保険加入はお金の無駄遣いになる」ということを理解する必要があります。
お金に余裕がある人はそれでも良いでしょうが、保険というものは、
「自分のお金では対応できないような事が起きた場合に備える」
ためのものであり、お金に余裕があるなら保険に入る必要はないはず。
(たとえば、イチロー選手が3,000万円の死亡保険に入るでしょうか?)
もしあなたが月額3万円の生命保険に40年間入れば、支払保険料の総額は「1,440万円」にもなります。
もし「幸いにして」あなたに何事もなければ、それだけのお金が保険会社の社員の給料や他の人の保険金に消えてしまうことになります(貯蓄型の生命保険は別として)。
それだけのお金を他に回すことができれば、生活はもっと豊かになるはずです。
恥ずかしい体験談
かくいう私も、実は保険に入りすぎていたクチです。
バブル末期だった新入社員の頃、大手保険会社のおばさんの、
「社会人になったら生命保険くらい入っておかないとダメよ」
という営業文句の言いなりになって、よく考えないままに加入していました…^^;
全部で月額4万円以上(バカです)。
今から考えれば、両親は健在で、まだ独身だった私がもし死んだとして、誰が経済的に困るというのでしょうか?
しかも20代の頃は、事故や病気で入院することになったとしても、多少の医療費には困らないほどの経済的余裕がありました(独身でしたし、バブルでしたし)。
ましてや、20代は人生のうちで一番元気で健康な年代です。
果たして私は、存在しないリスクのためにせっせと保険会社にお金を払い続け、そして一度も保険金を受け取ることはなかったのでした。
保険にムダなお金を使うくらいなら、もっと有意義なことに使うか、その分貯金をしておくべきだったのです。
30代になり、結婚を機会に、愚かな私もさすがに保険の見直しをしました。
生命保険は完全な掛け損だったわけですが、この時の保険加入には1つ良いこともありました。
それは、同時に加入していた年金保険商品が今では考えられないほど「予定利率」が高く、老後に払込保険料を大幅に上回る年金がもらえることです。
バブル期の「お宝保険」と呼ぶべきもので、そちらは解約せずに今も加入しており、生命保険の掛け損をカバーしてくれました。
(新入社員の頃に年金保険に入っていること自体が我ながらコワイですが…^^;)
保険をうまく利用するためには、リスクを正しく認識してそれに合った保険商品・設計を選ぶことです。
そして多くの人は、(私のように)実際よりもリスクを過大に見積もっているために、必要のない保険に入り、本来他に回せるはずのお金をムダにしています。
長くなるので、そのあたりは次の「その2」でお話したいと思います。