こんな文章では採用されない応募書類の書き方NG
文章の巧拙もキャリア評価に影響する
応募書類は定型的な要素が少なくないとは言え、自由な文章表現を使うパートもかなりあります。
- 送付状:挨拶文
- 履歴書:志望動機など
- 職務経歴書:職務概要、職歴・実績の説明など
- 自己PR文:全体
「応募書類はビジネス文書である」のページでもお話しましたが、応募書類では、学歴や職歴、実績などだけではなく、同時に文書の作成能力や一般常識の有無なども伝わってしまいます。
キャリアの中身で評価されるのは当然として、文章の巧拙で評価や印象を損ねてしまうのはもったいないことです。
そこで、本当はこんなことをわざわざ書きたくないのですが、実際には残念な応募書類を目にすることが多いので、採り上げることにしました。
(私は出版社の出身なので、応募書類の「文章表現」には余計に目が行ってしまうのかもしれませんが…)
文章をわかりづらくする要素はたくさんありますが、ここではその中の主なものを採り上げて参考にして頂くことにしましょう。
NG書類の具体例
難しい言い回し、固い表現の多用
「高く評価されたい」という気持ちが強すぎるのか、難しい言葉や堅苦しい言葉を必要以上に使ってしまい、ぎこちない文章になっているケースです。
応募書類では格調高い文章を書く必要はありません。
読み手にとってわかりづらくて内容が理解されなければ、評価にはつながりません。
むしろ「子供が読んでも理解できる」くらいわかりやすい文章を心がけるべきです。
業界用語、専門用語の多用
特に職務経歴書などでは、職務内容や実績の説明に業界用語や専門用語を、ある程度は使わざるを得ません。
しかし、すべての採用担当者がその業界や職種の詳細に精通しているとは限りません。仮に門外漢であってもできるだけ難なく理解できるように書き方を配慮することが大切です。
むやみに長い文章
たとえば、業務実績について、次のような文章が書かれていたらどうでしょう。
「当時は部門制度として組織されており、その3部門の内の1つである送電線部門で品質マネジメントシステム認証取得、東京の本部事業所へ転勤し全国に展開する6箇所の部門事業所およびそれら組織下にある施工現場へ教育指導を経験、外部講習への参加、審査機関への対応でシステム構築への認識が深まり、その後の事業部制の確立に大きく貢献するに至った。」
一読しただけでは内容が把握しづらく、理解に時間がかかりますね。
こうした読みづらい文章を、採用担当者がじっくり読み解いてくれる、とは思わないほうが賢明です。
要旨が明確になるように、長い文章は2つあるいは3つに分けてしまいましょう。
私もこのサイトの文章を書く際に気をつけていることです。
読点(「、」)の数や位置
かなりその人の癖が出る要素であり、読点の数が少なすぎると内容の切れ目がわかりにくいですし逆に多すぎても内容が途切れ途切れになって読みづらくなります。また逆に本来ひとつながりであるべき部分に入れられた読点も読解を妨げます。
↑↑↑
ほら、上の文章のように読点が少ないと、ずいぶん読みづらいですよね。
敬語の誤り、不自然な用法
これを間違えると印象のダメージ大です。
「ご面接のお願い」
「是非とも面接の機会を受け賜りますよう」
「御社のご発展に微力ながら参画致したい」
これらは応募書類の実例の一部ですが、こうした文章を目にすると、積極的に採用したいという気持ちが萎えてしまってもしかたないでしょう。
呼応の誤り
文章の出だしと末尾との呼応が適切でない文章もよく見られます。特に長目の文章を書く人に多いですね。
「私の当時の業務は~していました」
「私の目標は、~することが目標でした」
以上、印象や評価を損ねる文章の例を紹介してきました。
「自分はそんな文章は書かないよ」
と思われる人も、思わぬところで足元を救われないよう、企業に送る書類には入念なチェックを行いましょう。