サラリーマンとの成功と失敗の考え方の違い
独立事業者とサラリーマンは失敗の定義が違う
独立してサラリーマン時代との違いを痛感するのは、「失敗に対する考え方」です。
サラリーマン時代は、「失敗はしてはいけないもの」という意識がありました。
会社で失敗するのは恥ずかしいですし、仕事での失敗は評価を下げることになりますから、どうしても「失敗しないようにしよう」「無難にいこう」という考え方になります。
失敗をしないことが出世につながりますし、そこそこの成績であれば普通に暮らせるだけの給料がもらえるわけですから、リスクを取らないのが賢明というものでしょう。
しかし、独立すると状況は一変します。
独立事業者には与えられる給料はありませんから、自分で稼がなければそもそも食べることができません。
サラリーマンが独立して事業を起こすというのは、初めてのことだらけで、まさに「道無き道を行く」ようなもの。
最初からすべてうまくいくことなどあり得ませんから、失敗は付き物です。
失敗を恐れてトライすることから逃げてしまえば、成功をつかむこともできません。
「トライ・アンド・エラー」というのは言い得て妙で、「トライ」することと「エラー」することはセットのようなものなのです。
私は、ビジネスというのは10個のことにトライして1個成功すれば上出来だと思います。
私も、ここには書けないような恥ずかしい失敗を数多くしてきました。
サラリーマンでは決してできないような失敗の数々を。
その失敗の上に今があります。
今では、「またやっちゃった、ははは」と笑える自分がいます。
9個失敗したって、次の1個が当たって「飯のタネ」になれば、それでOKなのです。
もちろん、致命的な失敗をしてはいけませんが、小さな失敗はたくさんすべきです。
それもできるだけ早く。
そうすれば、早く経験を蓄積して早く成功することができます。
私はよく、
「転職活動は結婚と同じで、何度失敗しても最終的に満足な相手と結ばれればそれで成功です」
という話をしますが、事業もまったく同じです。
だから失敗する自分をむしろ褒めることができます。
まさしく、「失敗は成功の母」なのです。
独立事業者にとって、成功の反対は「失敗」ではなく、「何もしないこと」です。
失敗を怖がってトライしなければ、経験という最も大切な財産を得られず、その結果成功のチャンスをものにすることもできません。
また、いったん成功しても、状況に合わせて変化することが必要であり、そこにもやはり失敗は付き物です。
独立事業者にとって、「失敗しないことは悪」なのです。