どこの世界にも80対20の法則がある
成功は一握りの人に集中する
独立して成功できるかどうか、ということに関して、触れておきたい話があります。
それは、イタリアの経済学者のパレートが唱えた「80対20の法則」(パレートの法則)というものです。
この法則は様々な分野で幅広く解釈・適用されていますが、
「構成要素を大きい順に並べた時、上位20%の要素で全体の80%程度を占めることが多い」
という経験則です。
非常にシンプルですが、奥が深い経験則だといつも思います。
(出典:http://www.icit.jp/life-informatics/etc/pareto.html)
サラリーマンの世界でも、評価が高く会社に大きな貢献をもたらす人材は一握りで、そうした人材がもたらした付加価値でその他大勢の社員が食べている、という事実があります。
余談ですが、アリやハチの世界にもこのパレートの法則が出現するそうです。
アリは、集団のうち2割が食べ物の8割を集めてきますが、 勤勉な2割の個体だけを取り出して集団にすると、 そのうち8割がなまけアリになり、残る2割が食べ物の8割を集めるようになります。
逆に、なまけアリだけの集団にしても、やはり2割が働きアリとなって食べ物の8割を集めるようになるそうです。
面白いですよね。
少し話が逸れましたが、独立事業者の世界でも同じことが言えます。
「独立すればみんなハッピー」なんて世界であるはずがなく、売上の大半は上位の事業者に集中し、その他大勢の事業者は残るわずかな売上を分け合っているに過ぎません。
人も羨むような莫大な収入を得ている事業者がいる一方で、その陰には人並み以下の収入しか無い多数の事業者がいるのです。
サラリーマンの世界にも独立事業者の世界にも同じ法則が生きていますが、大きく違うのは、前者では「その他大勢」に属しても給料はそれほどは違わないので生活していけるのに対して、後者では収入の差に直結するので食べていけないということです。
そして数多くの廃業と新規参入が行われ、その新陳代謝の結果、やはりそこにまた「80対20の法則」のバランスが生まれるのです。
資格の世界には、「高い競争率を突破して難関資格を取得した人は高収入が得られる」という迷信がはびこっています。
しかし、考えてみれば、それがどんなに難しい資格でも、独立開業すれば同じ資格者の集団の1人に過ぎません。
その集団の中で競争に勝って上位に入らなければ、やはり満足な収入を得ることはできません。
難関資格の代名詞である弁護士ですら、食べれない人がたくさんいます。
資格取得の競争をクリアしても、次に新たな競争が待ち受けているだけなのです。
資格を必要とする世界でもそうでなくても、成功を収めるためには、そこでライバルとの競争に勝てるだけの強みが必要です。
いわゆる「差別化要素」です。
平均的な能力では、平均的な収入すら得ることはできません。
あなたには上位20%に入れるだけの「差別化要素」はありますか?