サラリーマンは気楽な稼業でなくなった
現役サラリーマンが考えておかないといけないこと
私自身、ライブで聞いた世代ではありませんが、かつて植木等さんが「サラリーマンは気楽な稼業ときたもんだ」と歌いました。
「終身雇用」「年功序列」といった言葉が当たり前のように信じられており、「高度成長」で右肩上がりだった時代。
一流の大学を出て、一流の会社に入れれば、普通に働けば順調に出世できて、定年後は国が死ぬまで面倒を見てくれて一生安泰。
(私もそんな幻想を抱いて受験勉強をがんばったものですが、サラリーマンも10年余りで辞めてしまい、今は学歴と無関係の世界に生きています…)
その頃からまだ30年も経っていないのに、社会は様変わりしました。
一流の大学を出て、一流の会社に入っても、それで将来が約束されることはありません。
ビジネスのサイクルは早まり、大企業でも変化に対応できなければあっという間に飲み込まれてしまいます。
がんばって会社につくしてきたのに突然リストラに遭ったり、さらには会社そのものが倒産してしまうことも珍しくなくなりました。
そして会社を辞めても、昔のようには国も支えてくれません。
失業保険も細ってきていますし、老後の年金だって「いつから」「いくら」もらえるのか保証はありません。
サラリーマンとて、自分で自分の身を守らなければならない時代になっているのです。
絶対的な価値を身につける
そんな時代のサラリーマンに求められることは、「絶対的な価値を身につける」ことです。
会社に養ってもらうのではなく、給料以上に「会社に稼がせてやっている」人材であること。
たとえ会社の経営が揺らいでリストラが行われようとも、「お前は会社になくてはならない」と言ってもらえる人材であること。
そして、辞めさせられるのではなく自分の意志で会社を辞めることができ、他の会社から「ぜひウチで働いてほしい」と言われる人材であること。
それには、今の会社の中だけを見て、そこに最適化することにエネルギーのすべてを費やしていては危険です。
自分の会社の中で評価されるだけでなく、どこでも通用する1人の職業人として、その道のプロとして、高い実力を身につけておくことが必要です。
その意味では、サラリーマンと私のような独立事業者との距離は、以前よりも縮まっているのかもしれません。
私が一番危惧しているのは、私と同年代近辺のサラリーマンです。
- 優秀な大学を出て、バブル期に大挙して大手企業に就職。
- 「終身雇用」「年功序列」の崩壊をどこか他人ごとのように思っていて、自分の身に降りかかった時にどう対応して良いかわからない。
- これまでの待遇を当然と考えていて、転職市場での今の評価を理解していない。
新卒時から就職氷河期にあって企業をドライな目で見られた若年層と違い、旧来の価値観と新しい現実の狭間で最も苦悩するのがこの年代だからです。
そして、私の転職コンサルティングの受講者が最も多い年代でもあります。
「会社の看板が外れた時の、自分の本当の実力」
を常に意識し、「いざ」という時に備えておくことがかつてないほど必要になっています。