50代の方の応募書類の作り方
いかにキャリアを総括するか
50代になれば、キャリアも30年に達します。
「10年一昔」と言いますが、その3倍以上の職歴を事細かに説明していけば、応募書類は何枚あっても足りないでしょう。
かと言って、分厚い応募書類に詰め込んでも、採用担当者にまともに読んでもらうことはできませんし、それではちゃんと評価してもらうこともできません。
50代のあなたに求められるのは、長いキャリアを総括し、伝えることです。
そこで必要になるのは、「要約力」であり、情報を取捨選択する技術と言っても良いでしょう。
あなたのキャリアを高く評価してもらうために重要な情報とそうでない情報を区別し、大胆なウェイトをかけて限られたスペースを効果的に配分することが大切です。
面接に進むまでは、あなたを評価するための情報は応募書類の中にしかありません。
あなたのキャリアそのものは変わらなくても、要約の仕方次第で、あなたのキャリア評価は大きく変わってしまうのです。
そして、プレーヤーとしてよりもむしろ、マネジメントのスキルや資質を明確にアピールすることが必要です。
この年代を中途採用するからには、高いレベルでのマネジメント能力が期待されるからです。
マネジメント経験およびそれに準ずる経験を抽出し、期待されるマネジメント能力を備えている確たる証拠として記載することが必要です。
書類作りの実際
上述のように、情報をいかに適切に取捨選択し、要約するかがポイントとなります。
50代の履歴書
※詳しくは「履歴書の技術」のパートを参照して下さい。
50代になれば、上記のように学歴・職歴欄の情報量が多く、職歴が2枚にまたがってしまうケースが増えます。
このようになると、転職歴が実際以上に多く見えたり、キャリアの全体像が把握しづらくなる、などの弊害が生じてきますので、できるだけ職歴は1枚目に収めることをお勧めします。
ほとんどの場合は、工夫によって1枚目に収めることが可能です。
・左上の住所・連絡先欄を狭める
・学歴を最低限(最終学歴のみ等)の記載に留める
ことで職歴欄にスペースを回すことができますし、職歴欄自体も、社内の異動情報は記載しない等によってスペースは抑えられます。
こうして1枚目に職歴欄までをすっきり収めることによって、付加的なアピールを行える2枚目に十分なスペースを取ることができます。
50代の職務経歴書
※詳しくは「職務経歴書の技術」のパートを参照して下さい。
あれもこれも盛り込みたい50代の職務経歴書ですが、できる限り3枚に無理なく収めることをお勧めします。
それを超えると、採用担当者の精読率は落ち、内容も頭に入らなくなると考えるべきです。
ただし、枚数を減らすために文字を小さくするのは厳禁です。
採用の決定権者は年齢が高いことが多く、文字が小さいとさらに精読率が悪くなるからです。
できるだけ他の書類と同じ文字の大きさで、3枚に「無理なく収める」ことを目指しましょう。
なお、どうしても分量が多くなってしまう場合は、別添資料として職務経歴書の本体から切り離す方法があります。
たとえば、携わったプロジェクトの一覧を別添資料とするような場合です。
「職歴の概要は本体で、詳細は別添資料で」のように役割が分かれていれば、読み手の負担も軽減されます。
50代の自己PR文
※詳しくは「自己PR文の技術」のパートを参照して下さい。
50代の場合、他の年代と比べて募集の求人枠は極めて限られています。
また、あなたがどんなに履歴書や職務経歴書を仕上げても、そもそも大半の企業は「50代の人は要らない」のが現実です。
採用のチャンスを少しでも広げるためには、学歴・職歴以外の部分でもあなたをアピールする必要があります。
そのための最適なツールが「自己PR文」です。
よくできた自己PR文は、あなたの人間性や仕事ぶりへの「共感」を感じさせ、たとえ自社が想定していなかった年齢やスペックだったとしても、
「この人なら面接に呼んでみたい」
「この人なら会社に貢献してくれそうだ」
と採用担当者に思わせることが可能だからです。
50代のあなたには、履歴書や職務経歴書では語れない人間としての魅力や奥深さがあるはずです。
それを自己PR文という場で存分に伝えましょう。
それによって、単に書類選考を通過できる確率が高まるだけでなく、面接の選考にも大いに好影響を与えます。
履歴書と職務経歴書だけでなかなか結果が出ない場合の強力な差別化の切り札として、自己PR文を活用して下さい。